プロ野球の一流選手は超人気者で、女性からもよくモテる。しかし、遊び方を一歩間違えると有名選手であれば、そのスキャンダルは瞬く間に広まってしまう。こうしたスキャンダルは選手の成績へどれくらい影響を与えるのだろうか。これまで世間からの大ブーイングを結果で黙らせた選手は…。
【画像】プロ野球史に残る「迷言」を残した後も好成績を残したあの選手
源田に続き東まで…
球界ナンバーワン遊撃手の呼び声高い西武・源田壮亮(31)のまさかの不倫報道に世間は大揺れ。そんなほとぼりが冷めやらぬうちに、今度は横浜DeNAのエース・東克樹(29)が自主トレ先の名古屋のホテルで、セクシー女優と密会していたと報じられた。「東はトミー・ジョン手術を受け、プロ入り後唯一1軍登板がなかった2020年に結婚しています。その後、2年間は苦労しましたが、2023年に見事復活して最多勝を獲得、昨季は12球団最多の183イニングを投げ13勝をマーク。
日本シリーズでも第3戦に先発登板して7回1失点に抑えて勝ち投手になり、シリーズの流れを変えました。今オフ、年俸が倍増の2億1000万円(推定)で更改するなど“ホクホク”となって気持ちに隙ができてしまったのかもしれません」(スポーツ紙デスク)
源田も昨季まで7年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得中。今オフの“ホット”なふたりに共通しているのは、アラサーでバリバリの主力であるという点だ。昨今、女性スキャンダルに対して世間の目が冷たいとはいえ、プロスポーツ選手は結果がすべての世界。源田は自身のSNSで「野球を通じて恩返しができるよう精進して参ります」とのメッセージを発信しているように、今季もしっかりと成績を残せば、多くのファンは黙るはず。
しかし、今回の報道でメンタルへの影響も大いにあるだろう。では、これまで女性スキャンダルを経験した“先輩”プロ野球選手たちはどうだったのか。その成績の変化を見てみよう。
巨人・坂本「あの騒動」後の成績は?
まず記憶に新しいところで、「けつあな確定」の名言を生んだ巨人・坂本勇人だ。「これが報じられたのは2022年9月。シーズン終盤で公となった女性トラブルですが、本人はそんなものはどこ吹く風と試合に出続けました。ちなみに、その年の6月にも4年前に起こしたキャバクラでの乱痴気騒ぎと、その解決金550万円を支払ったことが週刊誌で報じられましたが、とくに球団からお咎めはなし。そのシーズンは故障も相次いだことからプロ2年目にレギュラー定着して以降、初めて規定打席未到達&最少試合出場と、さすがにさんざんな成績に終わりますが、翌年は4年ぶりに20本塁打に到達。
普通ならそのまま終わってもおかしくないのに、そこはさすが坂本。女性トラブルをものともしない活躍をみせました」(前同)
坂本よりさらにすごいメンタルの持ち主が現ソフトバンクの山川穂高だ。山川は2023年5月に強制性交等の容疑で書類送検。不起訴処分となったものの当時所属していた西武では出場が許されず、そのオフに国内フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンクに移籍。これだけでもなかなかの神経の太さだが、移籍1年目の活躍はといえば、ほぼ1シーズンぶりの実戦にもかかわらず打ちまくり、本塁打と打点のリーグ二冠王を獲得している。「昨季4月13日の古巣、西武との試合では2打席連続満塁本塁打を放つなど、大ブーイングをものともしませんでした。あるインタビューで山川は『メンタルが強い、弱いというのは本来ない』と話していますが、この発言こそメンタルが強い証。スキャンダルがあってもなくても、ソフトバンクで活躍する未来は変わらなかったでしょうね」(スポーツ雑誌編集者)
さらに、楽天の則本昂大も2021年4月に自身の不倫を機に離婚していたことが発覚するも、そのシーズンで3年ぶりに二ケタ勝利を達成している。
「報道後、最初のヒーローインタビューで、一緒に登壇した辰己涼介に『なんか悪いことしたんかなというぐらい気合い入っていた』とイジられていました。球場はこの発言で笑いに包まれたし、イジってくれる仲間がいたことも則本にとって大きかったのかもしれません。
ちなみに、その不倫相手と再婚して迎えた昨季は、ストッパーに転向してさっそくセーブ王に輝いています」(前同)
スキャンダルで折れかけた伊藤大海
こうして見るとオフのスキャンダルが成績に与える影響などなく、むしろ報道をバネに活躍している……と、思いきや、プロ野球選手もやはり人の子。週刊誌報道によって成績を落とす選手は少なくない。
「東京五輪、準決勝の対韓国戦で相手の抗議をものともせず、すべり止め用のロジンバッグの粉をつけまくっていた伊藤大海は“強メンタル”が代名詞。そんな彼も2023年2月に婚約破棄と二股疑惑が報じられ、激ヤセしたんです。そのシーズンは7勝10敗と初の二ケタ勝利未到達、負け越しといった辛酸をなめています。
それでも伊藤は昨季、最多勝に最多完投(完封)と日本ハム2位躍進の原動力になりました。結婚をしたこともあると思いますが、やはり一流選手は並の精神力じゃないですよね」(週刊誌記者)一方で、スキャンダルでキャリアにとどめを刺される選手も少なくない。
「DeNAの中継ぎエースだった田中健二朗は妻へのDVと複数女性との不倫報道があった翌年2023年に戦力外通告を受けています。勤続疲労やケガもあったとはいえ、あの不祥事で心も折れてしまったと見ることもできます。
また古くは巨人の二岡智宏が2008年に女性タレントと一泊9800円の格安ラブホに入ったと報じられました。これを機に遊撃手のポジションを当時若手だった坂本に奪われ、自身は日本ハムに移籍。その後は大きな活躍もなく、37歳で現役を終えました」(前同)
なかには、ロッテの清田育宏のようにスキャンダル後、まったくチャンスを与えられずに球界を追われるケースもあった。さて、話は戻って源田と東だ。先人たちの失敗を教訓に、ふたりは今季も今までどおり活躍できるのか。「報道後に“雲隠れ”した源田といい、炎上を恐れてSNSのアカウントを削除した東といい、精神的にこたえているのは間違いないでしょう。しかし、源田はWBCで小指骨折を押して強行出場するほどハートの強い選手です。
東も日本シリーズでソフトバンク村上隆行打撃コーチの『宮城(大弥)のほうが断然いい』発言があっても『宮城大弥投手はめちゃくちゃ参考にさせていただいてます!』とSNSで受け流せる度量があります。キャリア的にも脂の乗った時期ですし、私は問題なく結果を残すと見ています」(前同)
この逆境をはねのけてこそ、一流選手といえる……のか?
取材・文/集英社オンライン編集部