『バック・トゥ・ザ・フューチャー』吹替は5バージョンに もはや幻(?)となった「織田裕二」版マーティ(マグミクス) – Yahoo!ニュース

マイケル・J・フォックスの出世作となったのは、コメディドラマ『ファミリータイズ』(テレビ東京系)でした。マイケルは『ファミリータイズ』と掛け持ちで、『BTTF』を撮影したことが知られています。この『ファミリータイズ』からマイケルの吹替えを担当していたのが、俳優の宮川一朗太さんでした。ソフトな人柄の宮川さんは、マイケルの親しみやすいキャラとピッタリ合い、『摩天楼はバラ色に』(1987年)などマイケル主演映画の多くを手掛けています。 長年にわたってマーティ役を熱望してきた宮川さんだけに、2014年にBSジャパンで放映された『BTTF』での吹替えは、実に軽妙にマーティになりきっています。マーティと一心同体化しているといっても過言ではありません。 宮川バージョンでドクを演じたのは、山寺宏一さんです。『BTTF』の世界を熟知している山寺さんだけに、宮川さんも安心して収録に臨めたそうです。山寺さんは若いころにマーティを演じ、キャリアを重ねてからドクを演じたわけです。これも実にナイスな配役です。『BTTF』がいかに日本で長く愛されてきたかが分かります。

今ではレア版となっているのは、1990年に「ゴールデン洋画劇場」(フジテレビ系)で放映された織田裕二バージョンです。当時の織田さんは、翌年放映の恋愛ドラマ『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)で大ブレイクする直前でした。 ドクは「劇団スーパー・エキセントリック・シアター」で人気だった三宅裕司さん。懐かしいテレビ番組を紹介する『テレビ探偵団』(TBS系)の司会も務めていました。 話題性を狙ったキャスティングと酷評されがちなフジテレビバージョンですが、若手時代の織田さんの初々しい声優ぶりは、珍騒動に巻き込まれたマーティの心情にうまく合っていたように思います。織田さんのマーティが、第1作だけで終わってしまったのが残念です。

そして、新吹替版のマーティを演じるのが、人気声優の宮野真守さんです。令和版『うる星やつら』(フジテレビ系)の面堂終太郎などの二枚目キャラを演じることの多い宮野さんだけに、かっこいいマーティになるのではないでしょうか。 宮野さんは「10代のやんちゃな感じ、未熟で青い感じをアメリカンに出していこうと意識しました」と語っています。ドクを演じる山寺さんとは多くのアニメ作品で共演しているので、ふたりの掛け合いも大いに期待できそうです。ロレイン役に沢城みゆきさん、ジョージ役に森川智之さんといった、人気と実力を兼ねそろえた声優陣が結集しているのも注目ポイントです。 これまで『BTTF』を何度も繰り返し観てきたファンも、初めて観る人も、さまざまな伏線が見事に回収されていくダンスパーティ以降の展開に夢中になるはずです。あなたはどの吹替えバージョンを「推し」ますか? (C)1985 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved

長野辰次

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