【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ ディープシーク・ショックから蘇生するデータセンター関連を狙う! | 市況 – 株探ニュース

株式アドバイザー 北浜流一郎

「ディープシーク・ショックから蘇生するデータセンター関連を狙う!」 ●イベント通過で安堵の市場を襲ったショック安 終わったばかりの1月相場。はっきり言って期待外れだった。6日の大発会が大幅安で終わったものの、翌日に戻したので安心したのだが、結局波乱の1カ月となった。その最大の要因は、重要なイベントが3つ予定されていたことにある。 最大のイベントは、もちろんトランプ大統領の就任だ。続いて日銀の金融政策決定会合とFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催があった。トランプ大統領の就任は終わってみれば特に意外性はなく、恐れる必要はなかったのだが、過ぎ去るまで市場は身構え、恐れるばかりだった。それも大統領就任式を終え、その後に日米両国の金融政策では予想通りの決定が下され、やれやれと一息ついた矢先の27日、「ディープシーク・ショック」が市場を襲った。そのインパクトは強烈で、まだ完全には立ち直れていないのが実際だ。

それにしても中国のスタートアップ企業ディープシークが低コストで開発、発表したAI(人工知能)モデルとはどのようなものだろうか。米オープンAIの「ChatGPT」は時々使っているが、「ディープシーク」には触れたことがないので機能や精度などは分からないが、米国での評価はかなり高いようだ。AIや半導体に強い専門家たちのコメントも、「ディープシーク」をほめそやしているものが多い。

一方で、「ディープシーク」はオープンAIからデータを不正入手したもの、要するに「パクったもの」との非難もあり、どちらの評価が正しいのかは判断がつかないのが正直なところ。そのため、ディープシーク・ショックで急落した銘柄のほとんどはまだ底値圏で溺れかけた状態にあるが、注目したいのは27日に急落し、28日から回復に転じたものもあることだ。

「ディープシーク」が市場にショックを与えたのは、AI開発には巨額の投資は不要で、 データセンターなどへの設備投資も、従来考えられていたよりもはるかに少額で済む――こんな予測が広がったためだ。これが正しいのならば、データセンターも通信ケーブルを含む設備機器、電力、人員などが少なくて済むというのだから、設備や通信機器関連の企業にとっては製品、サービスの需要減は避けられない。この点を懸念しての株価急落だったわけだが、前述したように、それらのなかには27~29日に底をつけたあと下げ止まるか、わずかに蘇生の動きをみせている銘柄がある。今回はこの点に着目したい。

●AIデータセンターの建設はまだ初動段階にすぎない

もちろん設備投資が少なくて済むとことは、関連企業からみるとネガティブ材料ではある。だが、実際はAIデータセンター自体の設置、建設もまだ初動段階だ。この点を考えると、株価が急落した通信ケーブル大手のフジクラ <5803> [東証P]、住友電気工業 <5802> [東証P]、古河電気工業 <5801> [東証P]の電線御三家の今の株価水準は拾いどころといえる。

また、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故では下水道管の老朽化による破損が原因とみられているが、併せてNTT <9432> [東証P]の光ファイバー回線、固定電話の通信回線切断なども起きているため、電気通信工事関連も浮上に転じている。これらの企業なくしてデータセンターの開設もあり得ないことを考えると、関電工 <1942> [東証P]、住友電設 <1949> [東証P]、弘電社 <1948> [東証S]、トーエネック <1946> [東証P]などに注目だ。

データセンターの空調工事に強い企業では、日揮ホールディングス <1963> [東証P]や高砂熱学工業 <1969> [東証P]、朝日工業社 <1975> [東証P]などがあるが、いずれも値動きはスローであり、ゆっくり投資に向いている。データセンターに不可欠なのがネット接続作業。これに強いのはインターネットイニシアティブ <3774> [東証P]になり、株価はすでに回復中だ。

そして最後は、NTTデータグループ <9613> [東証P]になる。国内ばかりでなく、海外でのデータセンター事業が好調であり、当面その勢いは続くと見てよい。

2025年1月31日 記 株探ニュース

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