不倫発覚でも夫支える 大阪・岸和田市長の妻が市議初当選、議会9割超は失職「賛成」勢力

大阪府岸和田市議選で初当選を果たし、支援者から花束を受け取る永野紗代氏=2日午後11時15分(泰道光司撮影)

不倫関係にあった女性との性的問題を巡り、大阪府岸和田市の永野耕平市長を不信任とした議会を永野氏が解散したことに伴う市議選(定数24)が2日に投開票された。当選を決めた24人のうち、9割超の22人が永野氏の市長続投に否定的で、市議会に不信任案が提出されれば、永野氏は失職する公算が大きい。包囲網が一層狭まる中、永野氏の妻、紗代氏(38)が初当選を決め、永野市政支持の姿勢を改めて示した。

紗代氏は同日夜、市内の選挙事務所で支援者らを前に「現役で子育て中の強みを生かし、子育て中の市民の声を聞き、市政を前に進めたい」と抱負を述べた。

また、次の市議会で不信任案が再び提出された場合の賛否については「昨年12月と同じ内容の不信任案なら反対する」としつつ「違う内容なら、精査してその時考えたい」と含みを持たせた。初めての選挙戦については「(夫に)言葉をかけてもらい、精神的に支えられた」と振り返った。

永野氏は不倫関係にあった女性から性的トラブルで提訴され、昨年11月に500万円の解決金を支払うことで和解していたことが発覚。説明責任を果たすよう求めた市議会側に対し、永野氏は性加害を否定した上で「裁判内容は秘匿とされ話せない」と繰り返した。市議会側は「市政に混乱を招いた」ことなどを理由に12月20日、永野氏に対する不信任案を賛成20人、反対4人で可決。永野氏は同24日に市議会を解散した。

24日夕に永野氏は会見を開き、その場には紗代さんも同席。

不倫問題が発覚した永野氏のことは「変わらず大事な家族の一員」と述べ、永野氏の市長続投が妥当との考えを示していた。

産経新聞社など報道6社は選挙戦の直前、候補者29人にアンケートを実施。約9割にあたる26人が、当選後に再び永野氏の不信任案が議会に提出されれば「賛成する」と回答した。投開票の結果、この26人のうち22人が当選。「反対する」と答えた候補者のうち、当選したのは紗代氏を含む2人だけだった。

地方自治法の規定では、新市議誕生後、初めての議会に3分の2以上の市議が出席し、市長の不信任案に過半数が賛成すれば、永野氏は失職する。そうなった場合、永野氏は出直し市長選に出馬する意向をすでに表明している。

「夫は変わらず大事な家族の一員」 議会解散の大阪・岸和田市長の妻、記者会見に同席

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