2日、投開票が行われた岸和田市議選。 当選した24人が3日、当選証書を受け取った。 なぜ市議選が行われたのか。 その背景には、市長の女性との性的関係を巡る問題があった。 永野耕平市長は、2019年からおよそ1年半にわたり性的関係を強要されたとして、大阪府内の女性から損害賠償を求める裁判を起こされ、解決金500万円を支払うことなどで和解。 永野市長は、これまで不倫関係は認めた一方、性加害については否定し、市長を続投する意向を示していた。 しかし市議会は2024年12月、「議会への説明責任を果たさず混乱を招いた市長の責任は重大」などとして、不信任決議を可決。 永野市長は、「自らの失職」か「議会解散」か、選択を迫られることになりましたが、「不信任決議に“大義はない”」として、議会を解散させたのだ。 岸和田市 永野耕平市長:数年前の不貞行為については、反省しているし申し訳なかったと思っている。それは家族や妻に思っていることで、そのまま市議会で扱われるのはおかしい
急遽、行われることになった市議選。永野市長の妻・紗代さんも立候補した。 永野紗代候補:岸和田市議選に立候補いたしました。よりよい楽しく子育てできる岸和田市にしたい。 永野市長が運転する選挙カーで、選挙戦を展開する異例の事態となっていた。 永野紗代候補:いってまいりまーす。ありがとうございまーす。
そして迎えた投開票日。 市長も駆けつける中、妻・紗代さんは当選した。 当選者のうち、新人は紗代さん含め2人のみだったのに対し、あとの22人は前職で、議会の顔触れは選挙前とほぼ同じという結果になった。 再び議会で市長の不信任案が提出された場合、3分の2以上の議員が出席した上で、過半数の議員が賛成すれば、市長は自動失職となるが、大阪の民放5社合同で、当選した議員にアンケート調査を行ったところ、24人中17人は不信任案に「賛成する」と回答した。 (Q.不信任案を出すのは間違いない?) 烏野隆生 岸和田市議(無所属・前):個人的には不信任案には賛成なので、出すつもりでいます。 市長の妻・紗代さんは、「反対」と回答した。 永野紗代 岸和田市議(無所属・新):12月と同じもの(不信任決議案)が出された場合は反対。もし、内容が違うという場合は、それはしっかりと内容を見て吟味して考えます。 (Q.どういう内容だったら賛成?) 永野紗代 岸和田市議(無所属・新):それはまた内容を見て考えます。
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また、市民からは「市議選は意味があったのか」などの声があがっている。 岸和田市民:税金の無駄遣いが一番ちょっと頭に来ますよね。 岸和田市民:何のためにそんなお金を使ってるのかなって。選挙してお金をかけて、ほとんど(市長に)反対の人が通ってるから、それだったら何の意味があるんかなと。 というのも、選挙管理員会によると今回の選挙では、前回の市議選でかかった、およそ7300万円よりも費用がかさむ恐れがあり、さらに市長選も実施するとなると、合わせて1億円ほどがかかることになるのだ。 (Q.改めてこの選挙結果を見て、1億円に上るかもしれない市議会議員選挙をやるべきだったのか?) 岸和田市 永野耕平市長:市民にとって、岸和田の市政を考えるいい機会になったと思っています。 (Q.財政も厳しい中で1億円が考えるための費用として適切か?) 岸和田市 永野耕平市長:もちろん、民主主義の費用として、当然これを否定することはできないと思います。また(不信任が議決されても市長選に)立候補して頑張りたいと思っています。
永野市長の所属先だった、大阪維新の会の吉村代表は次のように指摘した。 大阪維新の会 吉村洋文代表:(今回の市議選に)大義があったとは思わないです。本来、やる必要のない選挙が行われていると思っていますから、岸和田市民の皆さんに対して申し訳ないなという思いもあります。(12月議会で)不信任に賛成した議員が全員当選していますから、今の市政には不信任というのが、岸和田市民の皆さんの判断だと思います。 混沌とする岸和田市政。 議会の動きや市長の対応が今後、注目される。
永野市長は失職の公算が大きくなって、このあと市長選という流れになりそうだ。 関西テレビの加藤さゆり報道デスクは、「選挙にかかる費用」について次のように説明した。 関西テレビ 加藤報道デスク:どれぐらいの費用がかかるか、今回(の市議選)の分はまだ出てないんですけれども、前回の費用を伝えしますと、おととし市議選が行われた際は、およそ7300万円かかっています。 それで3年前の市長選はおよそ4400万円かかっていて、うち人件費が、だいたい2割から3割強かかっているんですね。 この人件費がさらにまあ年々増していっていますから、今回の選挙はこれよりもさらに高くなる。これに今後市長選が行われれば、1億円を超える金額になるんじゃないかと言われています。
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永野市長はこれに対して去年12月、次のように話していた。 永野市長(去年12月の発言より):ダブル選挙(=市長選挙・市議選挙の同時選挙)の場合、1年後に再び市長選がある。費用はあまり変わらない。民主主義のための費用だから仕方ない。再選して1億円以上稼ぐ つまり、市長が辞任して選挙が行われると、市長の任期はもともとの期間のままのため、1年後には市長選挙を実施する必要性がある。 今回のように市議選のみを実施して再び議会で不信任決議・失職してからの出直し市長選となれば、その時点で新しい市長の任期は就任から4年となる。 いずれにしても市長選挙を単独で実施することが必要なため、コストは変わらないという考えだ。
この費用の問題について、「newsランナー」コメンテーターで、共同通信社の太田昌克編集委員は、「選挙の費用以外にもコストはかかっている」と指摘した。 共同通信社 太田昌克編集委員:やっぱり市民の皆さんは、もちろん財政的なコストもさることながら、昨年の衆議院選挙から今回の市議選・(今後実施される公算が高い)市長選、さらに夏の参院選と8カ月のうちに4回投票所に足を運ばなきゃいけない。別のコストも生じているんですよね。政策がワクワクして、ぜひ一票入れたいっていう選挙ならいいんですよ。しかし今回はやや後ろ向きの選挙ではないのかと思いました。そして民主主義に対する信頼が揺らぎかねないという問題もありますから、市長さんはもっと早くに大局的な判断をなさるべきだったんじゃないかなと思います。 永野市長は「改革道半ば」ということで、出直し市長選出馬の意向も示している。 市民はどう判断するのだろうか。 (関西テレビ「newsランナー」2025年2月3日)
関西テレビ
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