北斗星(2月2日付)|秋田魁新報電子版

きょう2日は節分。いつもは3日なので「あれっ」と思った方もおられよう。地球と太陽の位置関係などから、通常は4日の立春が1日早まり、その前日の節分も早くなった。国立天文台によると、4年前にも2日が節分で、1984年は4日だったそうだ ▼きのうのスーパー折り込みチラシは「恵方巻き」一色。節分にその年の縁起のいい方角を向いて太巻きずしを丸かじりすると福を招くとか。関西の風習が平成中頃、全国に広まった ▼チラシで目を引いたのは価格。3人前ほどだろうか、「海鮮」をうたう太巻き1本が税込み1700円を超えていた。昨今の食品値上げも響いているのだろう ▼数年前、過剰生産が食品ロスにつながるとして国が業界に需要に合った販売を要請して話題になった。長さが半分の太巻きや手作り用のすし種セットも販売されている。財布や胃袋と相談しながら楽しみたい ▼先月、ドライブがてら地物野菜を求めて大潟村の道の駅を訪れ、同敷地内の干拓博物館を見学した。八郎潟干拓の歴史はもちろんだが、「入植者お茶の間劇場」と名付けられた昭和40年代ごろの入植当時の暮らしを紹介する実物大ジオラマも興味深かった

▼3人の入植者が囲むとっくりが並ぶちゃぶ台、やかんを載せたストーブ、大きなガス炊飯器…。全てが昭和を感じさせる。一見質素な食卓だったが酒のさかなは焼いたハタハタに、ハタハタずし。不漁続きの令和の目には恵方巻きにも劣らぬ豪華さに映った。

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