大学入学共通テストは19日、理科と数学、新教科・情報(情報I、旧情報の2科目)の試験が行われ、2日間の日程が終了した。情報は、総志願者の約6割にあたる30万1934人が受験。無事に試験を終えた受験生からは 安堵(あんど) の声が聞かれた。
情報Iは2022年度から導入された学習指導要領の教育課程で学んだ高校生、旧情報は浪人生向けに設けられた。いずれもデータの活用や分析、論理的な思考力を問う内容だ。
「情報I」で出されたプログラミングの問題
情報Iでは、文化祭に向けて工芸品を効率的に製作できるよう、担当者を割り当てるためのプログラムを組むといった設定の問題が出た。
また旧情報では、高校の図書館を活性化して生徒に読書習慣を身につけさせるには、どのように必要なデータを集め、分析するのがよいかを答えさせた。
試験終了後、受験生からは様々な感想が寄せられた。佐賀大(佐賀市)でテストに臨んだ私立高3年の生徒(18)は、教科書を読み込み、模試の振り返りを徹底してきたといい、「今まで解いてきた模試などの問題より簡単に感じた」と話した。一方、九州大伊都キャンパス(福岡市西区)で受験した私立高3年の女子生徒(18)は「想定よりも文章量が多く、読み解くのにも時間がかかった。難しく感じた」と語った。
情報Iの難易度について、代々木ゼミナールの松田知泰・情報研究室長は「大学入試センターが過去に公開した試作問題に比べると少し難しかったが、基礎レベルの出題も目立った」と分析する。
河合塾の昨年8月時点の集計では、情報の受験を必須としている国立大は97%、公立大は44%で、私立大はわずかだった。河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員は「情報Iで大きな差は出ないのではないか。思うように得点できなかった人も挽回の機会はあるので、気持ちを切り替えて今後の試験に臨んでほしい」と話している。