野球殿堂入り通知式を終え落合博満氏のレリーフを見つめる岩瀬仁紀さん(右)と笑顔の森繁和さん(代表撮影)
野球殿堂博物館は16日、今年の殿堂入りを発表し、競技者表彰プレーヤー部門で、中日でいずれもプロ野球記録となる1002登板、407セーブをあげた岩瀬仁紀さん(50)、オリックス、米大リーグマリナーズなどで活躍し、日米通算4367安打を達成したイチローさん(51)=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が選出された。競技者表彰のエキスパート部門では元阪神の掛布雅之さん(69)、特別表彰では元セ・リーグ審判部長の富沢宏哉さん(93)が選ばれた。
残してきた数字とは裏腹に、現役時代から変わらない殊勝な振る舞いが何とも岩瀬さんらしかった。「今、こうして殿堂に入ったという報告を聞いたときにうれしいのと同時に大変恐縮だなと。本当に良いのかなという気持ちになります」
まさに金字塔だ。1002試合、407セーブはいずれもプロ野球記録。「現役時代に数字を振り返ることはありませんでしたけど、終わってみてよくこんなにやったと思えました。良いときも悪いときも結果を振り返ることなく、前だけ突き進んできたらあっという間に過ぎました」。そのマインドはルーキー時代に培われたという。「最初に入ったときの監督が星野監督で、山田(久志)さんも一緒にいまして大変厳しい中で野球をやってきた。クヨクヨしている時間はないですし、反省はするけど、常に前を向いてやらないといけないということを学びました」と振り返った。
ゲストスピーカーを務めた元中日監督の森繁和さんは「私は無理やり使った覚えも、コキを使った覚えもありませんが、今は若い子をどんどん使うという野球界ではありません。誰が破ってくれるのかなという数字です」とたたえた。また「完全リレー」となった2007年の日本一を振り返り、「日本一のゲームで完全試合を見ることはないと思っていますし、山井と2人で日本一になったという思い出が強いです。これから指導者として頑張ってくれると思います」とエールを送った。