東京女子医大・岩本元理事長を逮捕 新校舎建設工事巡る1億円超不正支出、一部還流か

東京女子医大=13日午後、東京都新宿区

東京女子医大(東京都新宿区)の新校舎建設工事を巡り、大学に不当な報酬を支払わせて約1億1700万円の損害を与えたとして、警視庁捜査2課は13日、背任の疑いで同大元理事長岩本絹子容疑者(78)=江戸川区=を逮捕した。警視庁は、報酬の一部を自身に還流させたとみて全容解明を進める。

同窓会組織「至誠会」の不透明な資金の動きなどを調べた第三者委員会は昨年8月、岩本容疑者に権限が集中し、ガバナンス(組織統治)不全だったとする報告書を公表。大学は理事長だった岩本容疑者を解任した。大学を巡る混乱は元トップの刑事事件に発展した。

逮捕容疑は2018年7月~20年2月ごろ、河田町キャンパス(新宿区)の新校舎2棟の建設工事を巡り、大学から実際には業務をしていない1級建築士の男性(68)にアドバイザー報酬を計21回にわたり支払わせ、計約1億1700万円の損害を与えた疑い。捜査2課は認否を明らかにしていない。

同課は岩本容疑者と共謀したとして、男性のほか、報酬支出の稟議に関わった大学経営統括部の元幹部の50代女性も任意で捜査している。

大学の清水治理事長は13日、記者会見を開き「深くおわび申し上げる」と謝罪。「岩本容疑者の専横的な意思決定をけん制できず、ガバナンスを発動できなかった」と述べた。

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