水原一平被告に判決、26億円の賠償も命じる…判事「返済できることを願っている」

【サンタアナ(米カリフォルニア州)=後藤香代、帯津智昭】米カリフォルニア州の連邦地裁は6日、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(30)の預金口座から約1700万ドル(約26億円)をだまし取ったとして銀行詐欺罪などに問われた元通訳、水原一平被告(40)に対し、求刑通り禁錮4年9月を言い渡した。大谷選手への被害額全額の賠償も命じた。

6日、米カリフォルニア州サンタアナで、判決を言い渡され、連邦地裁を出る水原一平被告=帯津智昭撮影

水原被告は量刑言い渡しの前、「処罰を受ける覚悟はできており、慈悲を乞う」とジョン・ホルコム判事に訴えた。被告側はギャンブル依存症や犯行当時の経済状況などを理由に、禁錮期間を1年6月に減らすよう求めていたが、ホルコム判事は「犯罪の深刻さと窃盗の規模を反映した量刑が必要だ」として被告側の主張を退けた。

水原被告は1月にホルコム判事に宛てた手紙で、「給料日前に生活費が底をつくこともあった」と大谷選手の通訳時代を振り返り、情状酌量を求めた。ホルコム判事は、この手紙について「事実の誤認や欠落に満ちており、信用できない」と述べ、量刑の決定打になったと説明した。

検察側によると、水原被告は賭博で作った借金を返すため、2021年から2年以上にわたり大谷選手の口座から不正送金を繰り返した。大谷選手の被害総額は少なくとも1697万5010ドルに上った。ホルコム判事は「多くの人が生涯に稼ぐ金額をはるかに超えている。その金額を返済できることを願っている」と水原被告に語りかけた。

ホルコム判事は水原被告の保釈を認めたが、3月24日までに連邦当局に出頭するよう命じた。水原被告は出頭したその場で身柄を拘束され、連邦刑務所に収監される見通しだ。

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