気象庁によると、日本の上空を冷たい空気の渦がゆっくりと東に進み、強い冬型の気圧配置が数日続く。気圧の谷の通過と比べてスピードが遅く、冷たい空気の塊が通常より大きいため、日本を通過するのに時間がかかり、九州南部まで広範囲に影響が及ぶという。 冷たい空気の塊には波があり、7日にいったん弱まるが、8日に再度強まって通過する見込み。9日以降は大陸からの高気圧が張り出し、冬型の気圧配置は緩むとみられる。 4日朝は、霧島市牧之原や溝辺で氷点下の気温となり、鹿児島市で0.5度など県内7地点で今季最低気温を観測した。雪の影響で国道や高速道が通行止めとなったほか、離島便を中心に欠航が相次ぎ、交通が乱れた。さつま町神子の鶴田小学校では児童が雪だるま作りや雪合戦を楽しむなど、県内各地で雪景色となった。 気象台によると、5日午後6時までに予想される24時間降雪量は、薩摩地方の山地20センチ、平地10センチ、大隅の山地10センチ、平地5センチ。
薩摩、大隅、種子・屋久では、6日ごろにかけて海上を中心に雪を伴った非常に強い風が吹き、暴風となる可能性がある。海上も5日にかけて4~5メートルの波が予想されている。 ◇ 鹿児島県薩摩地方に大雪警報が出された4日、薩摩半島の道路や離島便を中心に交通が乱れた。5日も未明から大雪が予想され、一部の公共交通機関で運転見合わせが決まるなど、通勤や通学に影響が広がる恐れがある。 鹿児島市電と南国交通の同市内の路線バスは、5日始発から運転を見合わせる。種子・屋久航路の高速船「トッピー」「ロケット」は全便欠航する。バスや船では当日の早朝に判断する会社もある。 4日は、南九州自動車道の薩摩川内水引インターチェンジ(IC)-市来IC、国道225号の南九州市-鹿児島市の12.4キロが通行止めとなり、午後10時現在復旧していない。国道3号や国道225号の別の区間も一時通れなくなった。 鹿児島空港では天候悪化のため離島を中心に30便が欠航。鹿児島市電は午後8時発以降の電車が運休、船はフェリーはいびすかすや高速船甑島が欠航した。JR在来線では雪の重みで倒れた竹が架線にかかりそうになるなどして遅れが出た。
南日本新聞 | 鹿児島