「フィギュア選手、衝突機に搭乗拒否され命拾い」…実は別の便、米メディアが訂正記事掲載

行方不明者の捜索が続く中、レーガン・ナショナル空港を離陸するアメリカン航空の旅客機=30日(ロイター)

米首都ワシントン近郊で起きた小型旅客機と米軍ヘリの衝突・墜落事故を巡り、一部の米メディアが「フィギュアスケートの男子選手が旅客機への搭乗を拒否されたため命拾いした」と報じた。だが、この選手が乗ろうとしたのは別の便と分かり、訂正記事を出した。

米ニュースサイトのデーリー・ビーストや英紙デーリー・メール電子版は、ロシアのノーボスチ通信の報道を基に、ジョン・マラビラ選手(19)が中西部カンザス州ウィチタの空港で、後に衝突したアメリカン航空機に乗ろうとしたところ、持ち込もうとした飼い犬が大きいとして搭乗を拒否されたため、事故に遭わずに済んだと報じた。

ジョン・マラビラ選手(米フィギュアスケート協会のホームページから)

マラビラ選手はインスタグラムで「搭乗ゲートを通ることが許可されなかった。カンザスから私を出して」とし、飛行機を諦めて車に乗り「14時間の旅が始まる」と投稿していたため信憑性を高めた。

報道はSNS上で「なんて幸運なんだ」と拡散されていた。しかし、実際はマラビラ選手が乗ろうとしたのはアトランタ行きのデルタ航空機だった。デーリー・ビーストなどは30日、元の記事を削除し、訂正する内容を掲載した。

衝突した旅客機には、1994年のフィギュアスケート世界選手権ペアで優勝した元ロシア代表のワジム・ナウモフさん(55)とエフゲニア・シシコワさん(52)や複数の選手が乗っていたとみられる。

マラビラ選手はデーリー・ビーストに対して、名前は挙げたくないが多くの仲間が乗っていたとし、「悲劇だ」と語った。

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