「臨時情報の有無にかかわらず、普段から注意を」 南海トラフ地震臨時情報 加藤愛太郎・東大地震研教授

宮崎県で最大震度5弱を観測した地震と南海トラフ地震との関連を調べる気象庁の評価検討会の会場のモニター=13日午後10時31分(代表撮影)

13日午後9時19分ごろに宮崎県沖の日向灘で発生した地震を受け、気象庁は将来の発生が懸念される南海トラフ巨大地震との関わりを調査するため、昨年8月以来2度目となる「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を一時発表した。今回の地震などについて、東京大地震研究所の加藤愛太郎教授(地震学)に話を聞いた。

今回日向灘で発生したM6・9(速報値、気象庁はその後6・6に更新)の地震は逆断層型で、南海トラフのプレート(岩盤)境界で発生したと考えられる。昨年8月8日に発生したM7・1の地震と比較すると、今回の地震の震源の地図上の位置は少し北西方向にある。付近では、気象庁によると1996年12月にM6・7の地震が発生している。

8月の地震によって破壊された断層の周辺は、力が加わってひずみが増え、一時的に普段より割れやすい状態になる。このために、周辺の断層が破壊されて今回の地震が起きた可能性がある。

今回の地震は昨年の地震と比較してエネルギーは半分程度ではあるが、引き続き、しばらくの間今回の地震の直接的影響によって起きる地震や津波には注意する必要がある。また、日向灘はM7を超える地震がたびたび発生してきた地域で、南海トラフで懸念される大地震は平時から発生確率が高いと評価されている。南海トラフ地震臨時情報の有無にかかわらず、普段から注意の必要があることに留意してほしい。

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