映画『ハリー・ポッター』シリーズでは、アラン・リックマンがスネイプを演じた。
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- セブルス・スネイプは『ハリー・ポッター』シリーズに登場するキャラクターの中でも最も人々の意見が分かれる人物の1人だ。
- スネイプは二重スパイだったので、その詳細は謎に包まれていた。
- 母親が魔女で父親がマグルだったことから、自身を「半純血のプリンス」と呼んだ。
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ファーストネームの「セブルス」はラテン語で「厳しい」「厳格」といった意味で、これはスネイプのホグワーツでの振る舞いにぴったり合っているように思える。
Wizarding Worldの公式サイトによると、ラストネームの「スネイプ」は古ノルド語の「sneypa」という言葉をもとにしていて、その意味は「怒り、恥、不名誉」だという。スネイプが二重スパイだったことを考えると、これもマッチしているように思える。
ただ、イギリスでは「スネイプ」という名前には先祖から伝わる意味もあって、ノース・ヨークシャーやローランド地方、サフォークの「snæp」(沼地)の近くに住む家族と結び付きがある。
アラン・リックマンがスネイプを演じなかった可能性も
ティム・ロス(左)は『レザボア・ドッグス』や『パルプ・フィクション』といった映画で知られる。
Charley Gallay/Getty Images; Warner Bros.
アラン・リックマン以外の俳優がスネイプを演じているのは想像しづらいものの、可能性は十分にあった。
イギリスで2019年に放送されたテレビ番組『There’s Something About the Movies』で俳優のティム・ロスが、ティム・バートン監督の『PLANET OF THE APES/猿の惑星』にキャスティングされたのと同じ年にスネイプ役をオファーされたと語った。
結局、ロスはスネイプ役を断り、リックマンが演じることになった。
スネイプは恐らくパトローナスを呼び出せる唯一のデスイーター
スネイプのパトローナスは「雌鹿」だった。
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Wizarding Worldによると、パトローナス(守護霊)は「幸せや希望の記憶」から生まれる。そのため、パトローナスを呼び出せる闇の魔法使いはほとんどいない。
読者や視聴者が知る限り、スネイプはシリーズを通じて唯一パトローナスの呪文を唱えたデスイーター(死喰い人)だ。最終章でスネイプは匿名で、ハリーがミッションを遂げられるよう銀色の雌鹿をディーンの森に送った。
スネイプの最も幸せで愛しい記憶はハリーの母親リリーとの思い出だったことから、スネイプのパトローナスはリリーのパトローナスと同じ「雌鹿」だった —— だからこそハリーもそのパトローナスについていった。
ただ、シリーズを通じて、パトローナスを使った悪役はスネイプだけではない。ドローレス・アンブリッジも『ハリー・ポッターと死の秘宝』でねこの形をしたパトローナスを呼び出している。
実は魔法薬学の先生にぴったり
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ホグワーツの生徒も教師も、スネイプが魔法薬学ではなく、闇の魔術に対する防衛術の教授になりがたっているのを知っていた。
ただ、Wizarding Worldの職務記述書によると、スネイプは魔法薬学の先生になるべくしてなったように見える。
ウェブサイトには「魔法界における魔法薬の専門家に対する一般的な考えとしては、陰気で熱くなりにくい性格」とある。
わたしたちは彼が常にそうだったわけではないと知っているが、ハリーがホグワーツに入学するまでにスネイプはこの仕事によくなじんでいたようだ。
父親はマグル
「半純血のプリンス」と書かれた教科書。
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スネイプはトビアス・スネイプというマグルの父親とアイリーン・プリンスという魔女の母親のもとに生まれた”半純血”だった。
スネイプの”マグルに対する軽蔑”は、父親からの虐待が影響した可能性がある。ホグワーツ在学中、スネイプは父親の名前を捨て、母親の旧姓を使った「半純血のプリンス」と名乗った。
子ども時代の生活は楽ではなかった
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映画はスネイプがリリーやその姉ペチュニアと一緒に育ったような印象を与えている。どちらの一家もイギリスの架空の町コークワースに住んでいたものの、”ご近所”ではなかった。
スネイプの家族は、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で”うらぶれた街”として描かれたスピナーズ・エンドに住んでいたことから、裕福な暮らしではなかったことがうかがい知れる。
リリーとの友情が終わったのは、スネイプが彼女を侮辱するような名前で呼んだせい?
子どもの頃、リリーとセブルスは仲が良かった。
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『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、憂いの篩の記憶を通じて、セブルスとリリーの関係性を垣間見ることができる。ただ、映画では2人の関係がなぜ壊れたのか、はっきりとは描かれていない。
原作の本では、ジェームズ・ポッターとその仲間がスネイプをいじめていると、リリーがスネイプをかばった。そのやさしさを受け入れる代わりに、スネイプはリリーを拒絶し、「穢れた血」と呼んだ。これはマグルの両親のもとに生まれた魔法使いを侮辱する言葉だ。
その日を境に、2人の関係は元には戻らなかったようだ。
スネイプが魔法薬学を教えていたのは、ローリングが化学嫌いだったから
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ローリングは2015年にPottermore(現在のWizarding World)で、マグルにとっての魔法薬学にあたる化学が学生時代の自分にとっては一番嫌いな教科だったと書いている。
これがスネイプ —— ホグワーツの生徒、特にハリーに嫌われている先生 —— を魔法薬学の教授にするというローリングの決断に影響を与えた。
ホグワーツ在学中は、スラグホーンのお気に入りの1人だった
スネイプがホグワーツで学んでいた頃、スラグホーンは魔法薬学の先生だった。
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ホグワーツ在学中はスリザリンだったスネイプは、この寮にいる他の多くの生徒同様、魔法薬学、闇の魔術に対する防衛術、呪文学が得意だった。
当時、魔法薬学を教えていたスラグホーンはスネイプとリリーがお気に入りだったので、2人がスラグクラブに入っていた可能性は高い。ただ、原作本では一切触れられていない。これは恐らく、スラグホーンが一番誇りにしている生徒だけを見せびらかすのが好きだったせいだろう。
スネイプがダンブルドアを殺害した後はなおさら、スラグホーンはスネイプの忠誠心に疑問を持つようになった。そのため、スラグホーンはスネイプが自分のお気に入りの1人だったと強調しなかったのかもしれない。
最期の言葉は映画と原作本で異なる
スネイプは『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』で死んだ。
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スネイプの死はシリーズ中、最も強い感情を呼び起こすシーンの1つだ。
映画では、スネイプが死の間際、ハリーに対してシリーズを通じて複数の登場人物が口にしてきた「母親と同じ目をしている」という台詞を繰り返した。
ただ、原作本ではもう少しあいまいな言葉を口にしている。スネイプはただ「わたしを見て…」と言っていて、恐らくリリーの目を最後にもう一度見たかったのだろう。
100%良い人間でも100%悪い人間でもない
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スネイプが実は二重スパイだったと分かった後、ファンの間ではスネイプがヒーローなのか悪役なのかで意見が分かれた。
ただ、一部のファン… そしてローリング自身もすぐに、スネイプは100%良い人間でも100%悪い人間でもないと指摘した。
ローリングは2015年のツイートで、スネイプを聖人のような性質と悪魔のような性質の両方を持つ「グレー」だと表現している。
渋くて古い靴のようなにおいがする
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ローリングは2015年、ツイッターでファンからのさまざまな質問に答え始めた。
そして、あるファンはスネイプのにおいについて尋ねている(ただ、質問のツイートはのちに削除され、ローリングのリプライだけが残っている)。
答えは「渋くて古い靴」のようなにおいだ。
リータ・スキーターは恐らくスネイプの暴露本を書いた
映画では、ミランダ・リチャードソンがリータ・スキーターを演じた。
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リータ・スキーターは魔法界のジャーナリストで、『アルバス・ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘』といったセンセーショナルな暴露本の著者としても知られている。
2007年のBloomsburyのインタビューでローリングは、スキーターが恐らくスネイプの死後、『スネイプ:悪党か聖人か?』という伝記を書いただろうと話している。
※本記事は、2022年1月15日に公開した記事の再掲です。