人気お笑い芸人、「ダイタク」の吉本大さんと、「9番街レトロ」のなかむら★しゅんさん2人が、オンラインカジノで違法に賭博をした疑いで任意の事情聴取を受けた。日本でも摘発されるケースが急増しているが、なぜ手を染めてしまうのか、取材した。
1月には卓球の丹羽孝希選手を書類送検
吉本興業に所属するお笑い芸人、「ダイタク」の吉本大さんと、「9番街レトロ」のなかむら★しゅんさんが、警視庁から任意の事情聴取を受けた。
警視庁から任意の事情聴取を受けた「ダイタク」の吉本大さん(左)と「9番街レトロ」のなかむら★しゅんさん
この記事の画像(30枚)オンラインカジノで違法に賭博をした疑いがあるという。
2人が所属する吉本興業は5日、ホームページで「一部タレントにつきまして、コンプライアンス違反の疑いがあることが判明したため、現在、外部弁護士を交え、事実関係を調査中でございます」と公表した。
その上で、所属する一部タレントについて、事実関係などが確定するまで活動を自粛することを発表した。
オンラインカジノをめぐっては、1月にも東京オリンピックのメダリスト、卓球の丹羽孝希選手が、海外のオンラインカジノで賭博をした疑いで書類送検されていたことが判明している。
摘発急増…他国では合法でも日本国内からアクセスし利用は違法
オンラインカジノは他の国で合法として運営されていても、日本国内からアクセスして利用すると違法になる。
警察庁によると、2024年の摘発は国内の利用者と業者合わせて279人。前の年の約2.6倍と過去最多となった。
摘発増加の背景に何があるのか?
フジテレビの中川真理子・警視庁キャップは次のように説明する。
フジテレビ社会部 中川真理子・警視庁キャップ:
これまでは賭博の「胴元」と「客」をセットで立件するのが通例と思われてきたが、ある捜査幹部は「胴元を捕まえないと事件にならないということではない」「客だけでも違法であればどんどん立件していく」と意気込みを語っていて、2023年ごろから「客だけでも立件する」ということで、大規模摘発が増えたという背景がある。
警視庁が独自の暗号資産解析ツールで解析
今後も摘発は増える可能性があると指摘する。
フジテレビ社会部 中川真理子・警視庁キャップ:
(一例として)警視庁が独自の暗号資産解析ツールを使い客を割り出した。その結果、卓球の丹羽孝希選手の関与も浮上して、1月に書類送検された。暗号資産解析ツールを使い、一人一人の客の関与を浮上させて裏付け作業を進めれば、今後、客の摘発は増える可能性はある。
摘発が相次ぐオンラインカジノだが、街からは、「知ってます。広告で流れてくる」「いちいち直でいかなくても手安くできる。『ちょっとやってみよう』とハマってどんどんやってしまうのかな」「(みんな)気軽にやってそうな気がしますね。違法だったんですね。知らなかったです」といった声が聞かれた。
24時間簡単にアクセスができるオンラインカジノについて、専門家は、その“手軽さ”ゆえに、正しい理解が進んでいないと指摘する。
「違法であることを認知していない、やったとしてもバレないと考えている人がいる」と専門家
国際カジノ研究所・木曽崇所長: すぐにゲームにリーチしてしまうという意味では、そういう環境というのが出来上がっていることが、結局やる人を増やしている一要因になっている。違法であることを認知していない、もしくはやったとしてもバレないというふうに考えている人が、幾ばくかいるのかな。
(「イット!」2月6日放送より)
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