この冬最強の寒波が襲来する影響で、9日(日)頃にかけて、日本海側を中心に大雪となるおそれがあります。この先の見通し、警戒すべき点などを、気象予報士の木原実さんに聞きました。
■“数年に一度”の強さ&長期間居座る寒気
今回の寒波の警戒ポイントは、大きく分けて2つ。まず1つは、この寒気自体が“数年に一度”レベルの強さ、ということ。そしてもう1つが、その寒気が長期間にわたって列島に居座り続ける、ということです。ただでさえ強烈な寒気が、数日間居座ることで影響が長引く、それだけ危険な大雪となるおそれがある、ということです。
■「寒気」と「寒波」、何が違う?
「寒気」と「寒波」の違いに明確な基準はありませんが、上空の冷たい空気=寒気が数回にわたって押し寄せる、いわゆる「波」のようにやってくる様子を「寒波」と表現します。そのため今回のケースは寒気の影響が長期間に及ぶので「寒波」となります。
■「−42℃」この冬最強の寒波襲来
3日(月)朝の段階では、上空5000メートル付近で、平地でも雪を降らせる目安となる「−30℃」の寒気は、北陸周辺。大雪の目安となる「−36℃」の寒気は北海道の一部にとどまっています。
ただ3日(月)夜以降、強烈な寒気が南下。5日(水)夜には「−30℃」の寒気が西日本の一部まで南下。また北陸から東北の日本海側には、この冬最強となる「−42℃」の寒気が入ってくる見込みです。日本海側は猛吹雪や大雪が長く続くことになり、西日本では平地でも積雪となるおそれがあり、警戒が呼びかけられています。
■9日(日)頃まで? 大雪の影響長引く
警報級の大雪となる期間をまとめると、北海道から九州の全国広い範囲で4日(火)から警報級の大雪となる可能性がある、という見込みで、大雪のピークとしては6日(木)にかけてとなりそうです。
7日(金)以降、西日本では一旦、ピークを越える見込みですが、東北、北陸、東海では、その後もまだしばらく大雪に警戒が必要な状況が続くおそれがあります。気象庁、国交省の会見でもあったように、大雪が長く続く影響で車の立ち往生や交通障害などが発生するおそれもあり、十分な警戒が必要です。
■迫り来る大寒波 対策は?
まず、大雪が予想される地域にお住まいの方は、不要不急の外出を控えること。可能な限り、安全な場所でお過ごしください。そして雪道は大変滑りやすいです。車を運転される場合は冬用タイヤの装着、もしくはチェーンの準備。スリップ事故などに十分ご注意ください。そして最も大事な点、万が一の立ち往生に備えてスコップ、毛布などの防寒具、食料、モバイルバッテリーなども備えておくと安心です。そして、何より気象状況は刻一刻と変わります。こまめに最新の気象情報、交通情報を確認するようにしてください。
なお、今回の寒波は、東京など首都圏では大雪などの心配はありません。ただしばらくの間、厳しい寒さが続く見込みです。この先も、しっかりとした防寒対策が必要です。