東龍グルメジャーナリスト
(写真:イメージマート)
2025年の節分は2月2日です。節分の日は、地球の公転周期と暦のズレを補正するため、毎年同じ日になるとは限りません。2月3日になることが多いですが、2021年は124年ぶりの2月2日となり、今年も同様となっています。
“節分の日のグルメ”といえば、縁起のよい方角=恵方を向いて食べる太巻き寿司の恵方巻。コンビニやスーパーから、百貨店や高級店で販売されており、メディアでの紹介も多いです。歴史を辿れば、1980年代後半に、大阪のスーパーマーケットが販売を開始したことがきっかけになっています。
ココがポイント
1980年代後半、大阪のスーパーマーケットが恵方巻きの販売を開始したことが、全国的な普及の大きなきっかけとなりました
前年より14.2%値上がりした。(中略)価格据え置きや値下げといった動きもあり、価格帯の二極化が進行している
物価高の中で「値ごろ感」と共に、「選ぶ楽しみ」「食べやすさ」を追求した商品で日曜の節分を盛り上げる
1/3サイズ・1/4サイズなどの「事前お試しセット」を導入することは非常に効果的です
エキスパートの補足・見解
今年の節分は日曜日なので、家族や友人と季節の行事を楽しむ人が多くなりそうです。平均価格は昨年の958円に比べて136円高い1094円で、14.2%も値上がりしています。豪華で高級志向な商品が多い海鮮恵方巻は1944円では、前年の1729円から215円、12.4%の上昇。
こうした実情を背景に、新たな潮流が生まれています。
近年、恵方巻の食品ロス(大量廃棄)が問題になっていることを踏まえ、生産数や種類を絞り込んだり、完全予約制を導入したりする動きが広がっているのです。通常の3分の1サイズや4分の1サイズといった小さめのものが販売されており、“お試し”として購入しやすくなっています。当日の需要予測が難しく、日持ちもしないため、値引きもこれまでより積極的に行われるでしょう。
恵方巻がこれほど浸透したのは、1998年にセブンイレブンが全国に展開し、認知されたからです。アンケートでは約7割の方がが節分に「恵方巻を食べる」と回答していることからも、恵方巻はもはや日本を代表する食文化のひとつ。それだけに、これからもこの食文化が続いていけるように、過剰な商業主義に染まらない健全な発展を願います。
グルメジャーナリスト
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。