増山祐史
トヨタ自動車グループの自動車部品最大手デンソー製の燃料ポンプに不具合が相次ぎ、大規模リコール(回収・無償修理)に発展した問題で、トヨタのアルファードやカムリなど同社製の計8車種5万4577台がリコール対象車だったにもかかわらず、漏れていたことが分かった。同社は22日、リコールを国土交通省に届け出た。
国交省によると、対象車種の製造時期は2017年7月~19年9月で、いずれもデンソー製の燃料ポンプを使用。燃料ポンプの樹脂製の「インペラ」という部品に不具合があるため燃料を吸い上げられなくなることがあり、最悪の場合は走行中にエンストを起こす恐れがあるという。
同社はこれまで、同様にデンソー製のポンプを使っていた65万1773台について、23年までに国交省にリコールを届け出ている。その際、ポンプやタンクのメーカーからまとめた製造時期などの情報が誤っており、同社の確認も不十分だったため、今回リコールを届け出た分が漏れていたという。
同省によると、今年に入って利用者からトヨタに対して、「車がエンストして止まった」などと申告する不具合が5件あり、リコール漏れが発覚した。事故は起きていないという。問い合わせ先はトヨタお客様相談センター(0800・700・7700)へ。
デンソー製ポンプをめぐる一連のリコールは20年3月以降相次ぎ、昨年1月までにメーカー計10社で25回、国内累計約430万台に上っていた。
また、トヨタは22日、電気装置の部品の耐久性や、ボンネットの取り付け構造が不十分だったとして、「アルファード」など計2車種43万4520台(14年12月~23年4月製造)のリコールも同省に届け出た。
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この記事を書いた人
増山祐史
東京社会部|国土交通省担当
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専門・関心分野
運輸行政、事件事故、独占禁止法、スポーツ