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日本をはじめ世界中で社会現象を巻き起こした『ツイン・ピークス』などで知られるデヴィッド・リンチ監督が死去した。78歳だった。同作をはじめ、複数の作品でタッグを組んだカイル・マクラクランが、インスタグラムで追悼の意を表した。 現地時間1月16日、家族がフェイスブックにて、リンチ監督が亡くなったことを公表。「彼が私たちの元を去り、世界に大きな穴が開きました。ですが彼が言っていたように、『穴ではなくドーナツに目を向けてほしい』」と綴った。 1946年にモンタナ州ミズーラで生まれたリンチ監督は、1977年に『イレイザーヘッド』で長編映画監督としてデビューを果たし、『エレファント・マン』(1980)と『ブルーベルベット』(1986)、『マルホランド・ドライブ』(2001)でアカデミー賞にノミネート。2019年には映画界への貢献が認められアカデミー名誉賞を受賞した。『ワイルド・アット・ハート』(1990)ではカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞し、カルト的人気を誇るテレビシリーズ『ツイン・ピークス』では、エミー賞を獲得した。 訃報を受け、カイル・マクラクランはインスタグラムにて監督との思い出の写真をシェアし、追悼の意を綴った。 「42年前、僕の理解の及ばぬところで、デヴィッド・リンチは無名の僕を、彼の最初で最後の大作映画(『砂の惑星』)に抜擢してくれました。彼は明らかに、僕自身ですら気付いていなかった何かを、僕の中に見出したのです。僕のキャリアと人生の全ては、彼のビジョンのおかげです」。 『ブルーベルベット』と『ツイン・ピークス』で再びタッグを組み、友情を築いていったという彼は、リンチ監督を「僕が出会った中で最も生き生きとした人でした」と評し、創造性にあふれる謎めいて直観的な人で、誰もが到達したいと願うものに触れている人だったと称える。 そして、「世界は非凡なアーティストを失いましたが、僕は、未来を想像させ、自分では思いつきもしない世界へ連れて行ってくれる大切な友人を失いました」と綴り、「言葉では表せないほど、そして心が耐えられないほど、彼を恋しく思います。僕の世界は彼を知ったことで豊かになり、彼を失ったことで空虚になりました。デヴィッド、僕は変化し続けます。そしてあなたのカイルで居続けます。あなたがくれた全てに感謝します」と長文で悼んだ。
引用:「カイル・マクラクラン」インスタグラム(@kyle_maclachlan)