第47代米国大統領に正式に就任したドナルド・トランプ氏は20日(日本時間21日)、就任式を終えた後向かった支持者向けの祝賀集会で、異例の「公開大統領令署名」を行った。CNNなど米メディアが報じた。 約2万人の観客が集まった会場「キャピタル・ワン・アリーナ」に、大統領の執務机を持ち込んだトランプ氏は、署名内容のテーマについて1つ1つアナウンスするよう、スタッフに指示。サインペンを手に計9つの大統領令にサインを走らせた。最初は、バイデン前政権が出した78の大統領令を取り消すとする内容。「バイデン大統領ならこんなことはしませんよね」と、マイクを使って皮肉るように叫んだり、自身のサインを観客にどや顔で見せる場面もあった。 中盤で、スタッフが「次の大統領令は、パリ協定からの離脱です」とアナウンスすると、会場は大歓声に。「何兆というお金が節約されることになります」というアナウンスにも同様の盛り上がりが起きたが、気候変動に関する国際的枠組み「パリ協定」からの脱退という重要なテーマを、観客を沸かせる「材料」に使った形で、トランプ流の異例の演出となった。 「公開署名」をすべて終えると、トランプ氏はいすから立ち上がり、観客席に向かってサインをしたペンを観客席に投げ込むなど、ロックスターのような行動もみせ、最後まで「トランプ劇場」を演出した。 トランプ氏はこれに先立つ祝賀集会会場でのスピーチで「私の演説聞きましたか?私の演説は好きでしたか?」と呼び掛け、「私たちは結束している。結束した国が好きだ」と主張。その上で、トランプ氏が敗れた前回の大統領選の結果に反発した支援者らが2021年1月6日に起こした連邦議会襲撃事件で有罪となった約1600人に、恩赦を与えると表明した。 トランプ氏は、この件について就任式でのスピーチに入れないよう求められたとした上で、「ここにいる人たちは聞きたいのかもしれない。だから話す。私は『人質』を解放します」と述べた。この大統領令への署名はホワイトハウスに戻ってから行ったが、トランプ氏の支援者以外からは早速、怒りや批判の声が起きており、今後の混乱は避けられない。
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