トランプ氏ミームコイン、時価総額一時2.3兆円-仮想通貨市場揺らす

トランプ次期米大統領が自身のソーシャルメディアで17日夜に発表した暗号資産(仮想通貨)「$TRUMP」に多額の資金が流入し、仮想通貨市場を揺さぶっている。取引高は数十億ドルに上り、利益相反の懸念も浮上している。

集計サイトのコインマーケットキャップのデータによると、ソラナのブロックチェーン上で発行されたミームコイン、$TRUMPの時価総額は一時150億ドル(約2兆3400億円)に急増した。

その後、トランプ氏の妻メラニア夫人もミームコインを発表し、投機的需要の変化に乗じるトレーダーを引きつけたことから、米東部時間19日には$TRUMPの時価総額は100億ドルを下回った。

一方、暗号資産市場は週末に全般に低迷。時価総額最大のビットコインは下落し、同2位のイーサは大きく後退した。こうした流れに逆行し、ソラナは上昇した。

トランプ氏のソーシャルプラットフォーム、トゥルースで発表された同氏のミームコイン(1月17日)

ヘッジファンドのDACMの共同創業者リチャード・ガルビン氏(シドニー在勤)は、$TRUMPに「流れる資本の規模」が大きいため、ソラナと一部の関連資産を除けば大半の仮想通貨の取引は「低調」だったと分析した。

$TRUMPのウェブサイトには、「唯一の公式トランプ・ミーム」と説明されており、昨年の選挙集会中に起きた暗殺未遂事件でトランプ氏が拳を突き上げた姿をモチーフにしたイラストが掲載されている。

同ウェブサイトは「投資機会や投資契約、有価証券」を意図したものではないと記載しているが、暗号資産に興味のあるトランプ氏の支持者はすぐに購入を始めた。コインベース・グローバルやバイナンス・ホールディングスなどの大手取引業者は週末、自社プラットフォームに$TRUMPを上場させる意向を表明した。

$TRUMPの価格は、一時75.35ドルまで上昇したが、シンガポール時間20日午前7時半(日本時間同8時半)は約39ドル。

トランプ氏は以前にも暗号資産分野に進出したことがあり、スーパーヒーローなどの衣装を身にまとった自身の姿を映した非代替性トークン(NFT)がこれに含まれる。このNFTは利益を生んだ。

また、大統領選挙前の数カ月にわたり暗号資産業界にあからさまにアプローチしており、ブルームバーグニュースは同氏が暗号資産を「国家の優先事項」と位置付ける大統領令を検討していると先に報じている。

次期大統領の代理人はコメント要請に応じなかった。

原題:Trump’s Volatile Memecoin Diverts Flows, Rattling Crypto Market(抜粋)

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