ドナルド・トランプ米大統領は1月20日、ホワイトハウスに復帰するやいなや、保守的な政策を包括的に推進するという選挙公約を果たすため、一連の大統領令に署名した。画期的なパリ協定からの脱退を表明し、バイデン政権時代の大統領令78件を破棄したほか、連邦政府の雇用凍結を実施した。
さらに、移民関連の大統領令を複数署名。多様性、公平性、包摂性(DEI)に関する取り組みを制限する大統領令を出し、カナダやメキシコへの関税を発表した。
午後遅く、ワシントンD.C.のキャピタル・ワン・アリーナで支持者に向けた演説の際、トランプ氏は下記のような大統領令に署名した。
・バイデン政権時代の大統領令など78件の破棄 ・「完全な政府の完全掌握が確立されるまで」官僚が新たな規制を出すことを禁止 ・軍や一部の例外を除きすべての連邦政府の新規雇用を凍結 ・連邦職員に対し完全な「対面勤務」への復帰を義務付け ・米国市民の「生活費危機」に対応するための指示 ・パリ協定からの脱退 ・「言論の自由の回復と政府による言論検閲の防止」を命じる連邦政府への指示
・「前政権の政治的敵対者に対する政府の武器化を終わらせる」ことを目的とした指示
その後、トランプ大統領はホワイトハウスへ向かい、2021年1月6日の議会襲撃事件で有罪判決を受けた1500人以上に対する恩赦を最初の行動のひとつとして実施した。
多くの選挙公約は大統領令で実行可能だが、他の政策は議会の支持を必要とする見込みだ。共和党は下院と上院で多数派を占めているものの、下院ではわずかな議席差しかなく、上院ではフィリバスター(議事妨害)の影響を受けるため、トランプ大統領が自身の政策の一部を実現するには、少なくとも一部の民主党議員との協力が必要となる。