フィリーズとマイナー契約・青柳晃洋の背中を押した妻の“無言のエール”(デイリースポーツ)|dメニューニュース

阪神からポスティングシステムを利用し、米大リーグ移籍を目指していた青柳晃洋投手(31)が18日(現地時間17日)、フィリーズとマイナー契約を結んだ。18日午前7時(米東部時間午後5時)の交渉期限ぎりぎりでの決着だった。メジャーキャンプには招待選手として参加。自主トレ中の静岡県沼津市で取材に応じ、メジャーを目指して「下からはい上がる」と力強く宣言した。 ◇ ◇ 「応援する」「日本に残って」…。どこかそんな言葉を期待していたのかもしれない。球団からメジャー挑戦の内諾を得ていた昨季終了後、悩める青柳は妻に相談。だが、返ってきたのは意外な言葉だった。 「『絶対、何も言わない』って言われて…」 家族の人生も左右する決断だ。順調なら25年シーズンには国内FA権を取得できる状況。指揮官も交代し「もう一度フラットに見てもらえるチャンス」と心は揺れていた。それだけに「不安だから人の意見を聞きたかった(笑)。『日本にいてほしい』でも良いから、何か言ってほしかったんだけど」と苦笑いする。 もちろん妻の言葉は、野球を愛し、苦楽をともにしてきた夫を思うからこそのものだった。 「私が言うことによって決断が変わったり、『日本に残ってほしい』と言って残ったとして、引退する時に後悔したりしたら嫌だから。でも、あなたがアメリカに行くとしたら、家庭にとってはマイナスでしかないよ」 厳しい道のりは承知の上で、「渡米するなら単身で」を条件に夫の選択を尊重した。

その後も何度か意見を求めた青柳に対し、「何回聞かれても何も言わないってことは、『行け』って後押ししてるようなもの。家のことは心配するな」とぴしゃり。“無言のエール”が静かに、でも力強く、背中を押した。(デイリースポーツ・間宮涼)

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