フジテレビの社旗=東京都港区で2023年、屋代尚則撮影
タレントの中居正広さん(52)と女性とのトラブルを巡り、週刊誌で社員の関与を報じられたフジテレビが、日本弁護士連合会のガイドラインに基づく第三者委員会の設置を検討していることが判明した。同局を傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(HD)と同局は23日に臨時取締役会を開き、決議する見通し。フジ関係者が明らかにした。
報道を巡り、17日に開かれた同局の港浩一社長らの記者会見では、第三者の弁護士を中心とした調査委員会を立ち上げると説明し、第三者委の設置は明言しなかった。石原正人・常務取締役は「第三者委に近い独立性、専門性が高い人を選ぶ」などと説明したが、会見後に批判が相次いだ。
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これまで、フジHDの株式をグループで7%以上保有する米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが、第三者委での調査などを求める書簡をフジHDに送付。同社の社外取締役の斎藤清人・文化放送社長は21日の会見で、社外取締役7人が連名で臨時の取締役会の開催を申し入れたことを明らかにした。また、不十分な説明が繰り返されるなどした17日の会見以降、企業がフジへのCM出稿を差し止める動きが拡大している。
日弁連の第三者委のガイドラインには、委員を原則3人以上にし、企業と利害関係のない人を選ぶこと、調査結果の原則公表や、企業は調査に全面的に協力することなどが定められている。
中居さんの問題を巡り、フジは22日、中居さんが司会を務める「だれかtoなかい」の終了を発表。「総合的な判断」とした。テレビ朝日も同日、「中居正広の土曜日な会」の放送を打ち切ると発表した。テレ朝は「放送の継続の環境にない」とした。これで中居さんがレギュラー出演していたテレビとラジオの番組計6本は全て終了、または降板が決まった。
各局では、フジ社内で女性社員にタレントへの性的接触をさせる接待があったとする週刊誌報道があったことを受け、同様の問題がないかどうか、社内調査をする動きが広がっている。
テレ朝は22日、調査の結果、「食事会などでの不適切な行為の報告はなかった」と発表した。テレビ東京も同日、社内調査の開始を発表。日本テレビも21日、制作現場の社員などに対し、会食などでの不適切な性的接触がなかったか、外部専門家も含めてヒアリングすると発表していた。【諸隈美紗稀】