時事通信 文化特信部2025年01月23日20時30分配信
旧ジャニーズ事務所からの退所、独立を発表した中居正広さん=2020年2月、東京都港区
人気アイドルグループのリーダーに、軽妙なトークが印象的な司会、多彩な役柄を演じ分けた俳優としての顔―。芸能界入りから30年以上、マルチな才能を発揮し続けた中居正広さん(52)の引退はあまりに突然だった。
旧ジャニーズ事務所に入所し、1988年に結成されたアイドルグループ「SMAP」のメンバーに。リーダーとしてグループを引っ張り、「夜空ノムコウ」「世界に一つだけの花」などのヒット曲を連発し、国民的人気を集めた。
巧みな仕切りでテレビ番組の司会者としても脚光を浴びた。NHK紅白歌合戦やTBSの五輪報道、「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ系)などのバラエティーと、幅広いジャンルの番組の顔を務めた。
俳優業にも力を入れてきた。95年に「味いちもんめ」で連続ドラマ初主演を果たした後は、「白い影」「砂の器」などのドラマに数多く出演。映画「私は貝になりたい」では第2次世界大戦で戦犯となった男性を演じ、迫真の演技が話題に。
過去のインタビューで、20代は「とにかくいろんな種類の仕事をやった」と振り返っていた。30代では「アイドル時代の延長とは違う自分をつくった」と語り、着実にキャリアを重ねた。40代に入ると、「批判していた人も『いいね』と言ってくれ、生きがいを感じる瞬間があった」とも。
2016年末にSMAPが解散。20年のジャニーズ事務所退所後も個人事務所を立ち上げ、「登ってみたい山を探す」と精力的に活動していたが、昨年12月の週刊誌報道で状況は一変。出演番組が次々に打ち切られ、テレビ界全体を巻き込む大騒動のさなかでの電撃的な引退となった。
最終更新:2025年01月23日20時30分