ドジャースの入団会見で撮影に応じる(左から)ゴームズGM、フリードマン編成本部長、佐々木、ロバーツ監督
ロッテからポスティングシステムを利用し、ドジャースとマイナー契約で合意した佐々木朗希投手(23)が22日(日本時間23日)、本拠地ドジャースタジアムで入団会見を行った。背番号は「11」。開幕メジャーに意欲を燃やすとともに大谷翔平、山本由伸両投手が所属する昨季王者を選んだ経緯や、早期メジャー移籍希望の理由を明かした。 紺色のスーツに愛犬がデザインされたおしゃれソックス、鮮やかなドジャーブルーのネクタイが映えた。約200人の報道陣や球団関係者を前にした23歳の青年は緊張からか、その表情をこわばらせた。 メモ用紙を手にした冒頭のあいさつ。佐々木は自身を「実績のない選手」と表現し、メジャー30球団のうち20球団が獲得に動いた争奪戦を「一番成長できる場所を純粋に選ぶことのできる、一生に一度のこの機会に楽しみをかみしめてこの1カ月間を過ごしました」と回想。送り出してくれた古巣ロッテやファンらに感謝の言葉を贈り、「ゼロからのスタート。身が引き締まる」と決意を口にした。 交渉前からうわさされたド軍との“密約説”。報道陣との質疑応答で決断の理由を問われると、慎重に言葉を選びながら「いろんな話をした上で総合的にドジャースが一番良かったという判断」と説明し、「一番はフロントの安定感」と言った。答えの途中で10秒間、沈黙する場面もあった。 ド軍には23年WBCで世界一の喜びを分かち合った大谷、山本が所属するが、「日本人が在籍しているかは重要視していません」ときっぱり。2人には決断後に「『ドジャースでお世話になります』と伝えて、それぞれ『ようこそ』みたいな形で連絡をいただきました」と明かした。 ポスティングシステムの「25歳ルール」により、マイナー契約からのスタート。メジャー昇格後は最低保証額76万ドル(約1億2000万円)が支給される。23歳の佐々木はあと2年待てば、12年3億2500万ドルを手にした山本のように数百億円単位の大型契約の可能性もあった。 「あと2年待てばという声も多く聞きますけど」。そう切り出した佐々木は自身の過去の度重なる故障を踏まえて「その2年でどういった状態で迎えられるか保証もないですし、お金よりこの2年間を(MLBで)過ごす時間の方が自分にとって価値があると判断しました」と力説した。 フリードマン編成本部長は6年前、大船渡時代の佐々木を調査していたことを明かし、「間違いなく日本人初のサイ・ヤング賞投手になる能力を備えている」と断言。佐々木の開幕ローテ入り、さらには先発6人制の構想を口にした。 次なる目標は「メジャー昇格」。佐々木は「ファンに見てほしいのはストレートとフォークボール中心にした投球の組み立て。年間を通していいパフォーマンスを維持できるかが大事になると思う」と、ロッテ時代には達成できなかったシーズン完走に意欲を見せた。 選んだ背番号は高校時代の国際大会でつけた「11」。表記はロッテ時代と同じ「R.SASAKI」。令和の怪物がメジャーのマウンドに立つ日に向かって次なる一歩を踏み出す。 ◆佐々木 朗希(ささき・ろうき)2001年11月3日生まれ、23歳。岩手県出身。192センチ、92キロ。右投げ右打ち。投手。大船渡一中では軟式野球部に所属。大船渡高から19年度ドラフト1位でロッテ入団。プロ2年目の21年5月16日・西武戦(ゾゾ)で初登板初先発。22年4月10日・オリックス戦(ゾゾ)で史上最年少20歳5カ月で完全試合を達成。NPB通算64試合、29勝15敗。防御率2・10。
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************