スマートフォン上に表示されたディープシークのアイコン=北京(AP=共同)
【台北=西見由章】中国の新興企業「DeepSeek(ディープシーク)」が開発した生成人工知能(AI)を巡り、台湾の卓栄泰・行政院長(首相に相当)は3日、公的機関に対して利用を全面的に禁止するよう求めた。「国家の情報通信の安全を確保するため」としている。行政院(内閣)の報道官が明らかにした。
卓氏は同日開いた会議で、ディープシークの使用について、情報漏洩(ろうえい)などセキュリティー上のリスクが「排除できない」と指摘。ディープシークのデータ取得に関して「著作権法の関連法規に違反している疑い」があると批判し、言語モデルのトレーニングも「思想上の検閲や制限など、データに偏りがある」と言及した。
ディープシークを巡っては台湾のデジタル発展部(デジタル発展省)が1月31日、公的機関やインフラ施設が使用することを制限すると発表していた。世界各国の政府機関や企業の間でも使用制限の動きが広がっている。