KDDIは、JAXAの計画の委託先として、月-地球間や月面での大容量通信の実現に向けた実現可能性について2月から検討を開始する。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金の技術開発テーマである「月-地球間通信システム開発・実証(FS)」の委託先として、月-地球間や月面での大容量通信の実現可能性を検討する取り組み。
KDDIは代表機関としてと本件を取りまとめる。共同で検討を進める連携機関は、京セラ、NECスペーステクノロジー、アークエッジ・スペース、日本電気(NEC)、三菱電機、KDDI総合研究所。
現在、NASAやJAXAなど世界各国の宇宙機関では「アルテミス計画」が進められており、2020年代後半の有人月面着陸と、継続した月面探査活動を通じた科学的発見や産業振興、次世代の人財育成が目標になっている。アルテミス計画では、月面探査活動に必要な月-地球間や月面での大容量通信を実現する環境の構築が求められている。
KDDIは2022年から、月面探査活動に向けた、月-地球間の超長距離通信システムなどの全体的なアーキテクチャの検討を、JAXAやコンソーシアム企業と共同で行なってきた。2024年にはGITAI USAと月面での通信環境構築に向けたロボットによる基地局アンテナ設置の実証を行なっている。
今回の検討では、これまでの取り組みの成果を生かし、1年間のフィージビリティスタディ(FS、実現可能性調査)を通じて実現可能性を検討する。
地上局では、X帯とKa帯の周波数帯で長距離・大容量通信が可能な地上局の基本設計を検討する。
月面モバイル通信では、月面電波伝搬シミュレーションなどを活用した月面モバイル通信エリアの設計、月環境で使用可能なモバイル通信機器の機能・性能要件の抽出、月面基地局の支柱構築方法の検討、月面モバイル通信システムの運用コンセプト策定などが行なわれる。