横浜DeNAベイスターズ・東投手が不倫を謝罪~なぜ「不倫」をするとバッシングされるのか(竹内豊) – エキスパート – Yahoo!ニュース

横浜DeNAベイスターズを26年ぶりの日本一に導いたエース左腕・東克樹投手(29)が、自身が不倫をしたことを認めて謝罪しました。《衝撃不倫》「寝取るの大好き」と匂わせも…DeNAエース・東克樹(29)が広末涼子似セクシー女優(25)と“自主トレ不倫” 東は「軽率な行動」と不倫の事実を認める

このように、不倫は、当事者やその家族の問題であるにも関わらず、不倫をすると社会から非難されたり、仕事へ影響を及ぼしたりするなど社会的制裁を受けてしまうこともあります。

では、そもそも不倫、すなわち、結婚(婚姻)をして配偶者がある者が、配偶者以外の者と性的な結合をすることはなぜいけないのでしょうか。

ほとんどの方は、「不倫がいけないことは当たり前でしょ」と思われるでしょう。今回は、そんな当たり前なことを、法的観点から検証してみたいと思います。

民法からの検証

民法は、生活の基礎となるルールを定めています。その民法には、「婚姻(法律では、結婚のことを「婚姻」といいます)をして、配偶者がいる者は不倫をしてはならない。」といった、不倫を直接禁止する条文はありません。

しかし、次の3つの条文から、「夫婦は互いに貞操義務を負う」という、つまり、「法的に結婚をした者は、パートナーである配偶者以外の者と性的結合をしてはいけない」という不倫禁止が導き出されます。

民法732条(重婚の禁止)

配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。

結婚をしている状態では、結婚をさらにすることはできません。

民法752条(同居、協力及び扶助の義務)

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

夫婦には同居義務が課されていますが、職業上の理由、入院治療などの正当な理由があれば、一次的に別居することは認められます。正当な理由なくして同居義務を履行しない場合には、他方は、同居を命ずる審判を求めることができます。

協力義務の内容は各当事者の事情によって異なります。具体的には、日常生活の維持、病者の看護、子の養育などあらゆるものが含まれます。

扶助義務とは、相互的な経済的援助を意味します。夫婦は同居して共同生活をするため、相手方が要扶養状態に陥った場合には、相手方の生活を自己の生活と同じように保持する義務があります。

民法770条(裁判上の離婚)

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

不貞行為(配偶者以外の人と性的関係を持つこと)は、離婚原因となります。

日本国憲法からの検証

私たちが前提にするのは、近代市民社会が成立してからの婚姻制度であり、日本では日本国憲法に基づく婚姻制度です。婚姻制度については、24条に規定しています。

憲法24条

➀婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

②配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

このように、憲法24条は、第1に、婚姻が両性の合意のみに基づいて成立することを要求しています。婚姻をする者に自由な独立した人格を認め、婚姻はそれを基礎とする一種の契約であるという婚姻観を表明しています。

第2に、夫と妻が平等の権利を有することを基本とし、相互の協力によって婚姻が維持されなければならないとします。性差別を否定し、夫婦の法的地位の平等と同権を保障しています。これが前提にあって初めて、夫婦相互の愛情と協力による家庭生活が維持されると考えているのです。

第3に、一夫一婦制です。これは、先の2つの点と表裏の関係にあり、近代民法の婚姻の本質とされています。パートナー関係の独占排他性です。過去には一夫多妻制や妻妾制度なども存在しましたが、近代社会では、同時に複数の者と婚姻関係を持つことは公認されていません。

このように、日本国憲法は、一夫一婦制という婚姻の本質を掲げ、それを受けて民法では、重婚禁止、同居扶養義務、不貞行為の離婚原因という法規を定めました。

以上のことから、「不倫はしてはいけないこと」という現在では当たり前のことを導くことができます。

ご覧いただいてお分かりいただけたとおり、不倫は憲法の精神と民法の規定に反する行為といえます。したがって、不倫は、家庭の崩壊はもとより、社会的制裁も甘受するという相当な覚悟が必要な行為いえるでしょう。やはり、しないに越したことはないようですね。

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