◇第30回全国都道府県対抗男子駅伝 (19日、広島市平和記念公園前発着=7区間48キロ)
各都道府県の代表選手が出場し、学生・社会人が3区(8・5キロ)と7区(13キロ)、高校生が1区(7キロ)と4区(5キロ)と5区(8・5キロ)、中学生が2区と6区(いずれも3キロ)で競った。
「駅伝王国」長野が2時間16分55秒の大会新記録で、コロナ禍による中止を挟んで4大会連続で最多の11回目の優勝を飾った。
第101回箱根駅伝(2、3日)で総合新記録の10時間41分19秒で2年連続8度目の優勝を果たした青学大の田中悠登主将(4年)は、福井の最終7区で出場し、区間24位。タスキを受けた27位をキープして、27位でゴールした。
大学卒業を機に引退し、今春、地元テレビ局の福井放送にアナウンサーとして就職する田中は箱根駅伝9区2位と力走し、10区の小河原陽琉(1年)にタスキをつなぐ際、自ら「トップでタスキリレー!」と実況し、話題になった。現役最後の駅伝でも実況してゴールしたことを明かした。
「幸福度ランキング日本一の福井県、アンカーの田中悠登が笑顔でゴール! ありがとうございました」
田中は爽やかな笑顔で語った。
27位でタスキを受けた田中は、3秒前にスタートした青学大のエース黒田朝日(3年、岡山)らと集団を形成した。区間3位と好走した黒田朝日に約3キロで離された。「レース中は頭の中で実況していました。『田中悠登、集団から後れた』とか」。苦笑いしながら離した。
レースを終えた田中は安芸路の13キロをしみじみと振り返った。「とても楽しかったです。ふるさと福井県のためにアンカーで順位を上げられるように頑張りましたけど、黒田朝日は強かったですね」。福井県のチームメートに囲まれた田中悠登の表情は幸福感に満ちていた。