村上(左)と岡留(右)から移籍決定を祝福される青柳(撮影・丸尾匠)
阪神からポスティングシステムを利用し、米大リーグ移籍を目指していた青柳晃洋投手(31)が18日(現地時間17日)、フィリーズとマイナー契約を結んだ。18日午前7時(米東部時間午後5時)の交渉期限ぎりぎりでの決着だった。メジャーキャンプには招待選手として参加。自主トレ中の静岡県沼津市で取材に応じ、メジャーを目指して「下からはい上がる」と力強く宣言した。 ついに夢舞台への架け橋がつながった。マイナーからの挑戦にも青柳の表情に迷いはない。「マイナーでも契約してもらえたことにうれしく思います」。ドラフト5位での阪神入団から投手3冠まで上り詰めた反骨精神が、再び試されることになった。 「一番近い目標はメジャーリーグのマウンドに立つこと。それをまず達成してから、上がっていかないといけない。また下から頑張るしかない」。契約内容については「完璧に把握できているわけではない」として、詳細には触れず。渡米時期は未定で、当面は国内で自主トレを続け、招待選手として参加するメジャーキャンプに備える。 昨年12月にポスティングを申請。日本時間18日午前7時で45日間の交渉期限が終了する寸前での“駆け込み成立”だった。タイムリミットが迫る中で、「『本当に行くところがあるのか?』とか、そういう不安は結構ありました」と正直に告白。「正式に決まったのが本当に期限の1時間前だったので、驚きもありました」と運命の瞬間を振り返った。 移籍先のフィリーズは昨季ナ・リーグ東地区で地区優勝を果たしただけに、「メジャーでも有名な選手が多い。常勝チームなので自分がそのピースに入れるように」と奮起。「短いイニングなのか、あるいは結果出して先発なのか。本当にドラフトのルーキーの気持ち。与えられたところで結果を出し続けるしかない」。リリーフからでもチャンスをつかみに行く姿勢を見せた。 くしくも米国では同じ日に、元同僚の藤浪がマリナーズとのマイナー契約で合意したという報道があった。「アメリカで頑張っている日本人がいるとなったら頑張れる」と発奮材料に。「タイガースに育ててもらったプロ野球人生。タイガースで教わったことを全て持って、タイガースファンの応援を受けながら頑張れたらうれしい」。“猛虎の絆”を胸に刻んで、大勝負のために海を渡る。 ◆青柳 晃洋(あおやぎ・こうよう)1993年12月11日生まれ、31歳。横浜市出身。183センチ、83キロ。右投げ右打ち。投手。川崎工科から帝京大を経て、2015年度ドラフト5位で阪神入団。21年に自身初の2桁勝利(13勝)。タイトルは最優秀防御率1回(22年)、最多勝2回(21~22年)、最高勝率2回(21~22年)。22年はセ・リーグ投手3冠の活躍。21年東京五輪日本代表。
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