小惑星2024 YR4の直径は40メートルから90メートルの間と推定されており、地球規模の脅威となるほどの大きさではない。 マサチューセッツ工科大学(MIT)の惑星科学教授であるリチャード・ビンゼル(Richard Binzel)によると、もしこの小惑星が地球に衝突した場合、その影響は1908年にシベリアで発生した「ツングースカ大爆発」に匹敵するという。このとき、大気圏に突入した小惑星または彗星が、空中で爆発し、火の玉と衝撃波が約2000平方キロメートルの森林をなぎ倒した。この面積はマンハッタンの約34倍に相当する。 2024 YR4の衝突地点を正確に特定するのは、まだ時期尚早だ。 この小惑星のサイズとリスクのレベルは、地球近傍天体が地球に衝突した際の被害状況を示す「トリノスケール」で「3」に該当する。これは10段階で評価され、「10」は確実に衝突して文明の存続を脅かすレベルを示す。 「3」という評価は、最終的に2024 YR4が脅威とならない可能性が高いことを示している。とはいえ衝突の可能性がある2032年までにまだ8年の猶予があるため、慎重な監視が必要とされる。 トリノスケールを考案したビンゼルは、こう述べている。 「衝突の可能性は低いと楽観的に考えている。だが、このような事態の発生は今後も増えていくだろう。なぜなら、これらの天体を発見する機会がますます増えているからだ」
NASAはすでに危険な小惑星の軌道を変更する実験を行ったことがある。 2022年の「DARTミッション」では、小惑星ディディモスの衛星であるディモルフォスに探査機を衝突させてその軌道を変えることに成功し、この方法が小惑星の地球への衝突を避ける方法として有効であることを示した。 2024 YR4に対する軌道変更ミッションが必要になったとしても、8年もあれば十分に準備ができるとビンゼルは考えている。 この小惑星のサイズを考えれば、恐竜を絶滅させた小惑星ほどの強い衝撃はないだろう。万が一、軌道変更がうまくいかない場合でも、影響を受けるエリアの住民を避難させるという選択肢が残されている。それに、地球の大部分は海洋であり、陸地の多くも無人だとファルノッキアは指摘する。
Morgan McFall-Johnsen
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