東京女子医科大学の元理事長が背任の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、元理事長の岩本絹子容疑者(78)です。
容疑者を知る人:
カーっと熱しやすくて、爆発することは度々ありましたね。大学のお金を動かすようになると、ご自分が自由に使えるお金が増えたと勘違いされたと思うんですよね。
大学に約1億2000万円の損害を与えた背任の疑いが持たれている岩本容疑者。
警視庁は事件の全容解明を進める方針です。
警察車両の後部座席で身をかがめ、警視庁本部へ入る岩本容疑者。
岩本容疑者は大学の新校舎2棟を建築する際、非常勤職員だった建築士に対し、給与とは別に実体のないアドバイザー業務に対する報酬として1億1700万円を支払い、大学に損害を与えた背任の疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、給与とは別に、実体のないアドバイザー料が岩本容疑者にキックバックされ、私的に使っていたとみられています。
東京女子医科大学のトップが関わる不正に捜査のメスが入ったのは、2024年3月。
捜査の容疑は、勤務実態のない職員に大学の同窓会組織「至誠会」から不正に給与が支払われていたというものでした。
FNNが入手した音声では、職員への説明会で、逮捕前の岩本容疑者が一連の疑惑を否定しました。
岩本容疑者とみられる音声:
理事長の岩本でございます。至誠会の元職員に関しましては、報酬に見合う以上の仕事をこの大学でしていたというふうに認識しておりまして、この件に関しましては問題はなかったと考えております。
警視庁は押収した資料の分析を進め、資金の流れの解明を進めてきました。
そして、捜査から10カ月が過ぎた13日、岩本容疑者を逮捕しました。
同窓会組織の元理事は、岩本容疑者の人柄について「爆発することは度々ありました。その爆発が怖くてとか、爆発されて逆らえなくなった人も多かったので、それこそバカヤローとか、物を投げつけるっていうこともあった。ご自分が自由に使えるお金が増えたと勘違いされたんだと思うんですね」と証言します。
岩本容疑者の逮捕を受け、東京女子医科大学は13日に会見を開き、謝罪。
事件の原因について、東京女子医科大学の清水治理事長は「元理事長の専横的な意思決定。プロセスに十分なガバナンスを発動することができなかった。そういう意味で内部統制、ガバナンスの不全が大きな原因であったと考えています」と述べました。