岩本絹子容疑者(東京女子医大のホームページから)
東京女子医大の新校舎建設工事を巡る背任事件で、同大元理事長、岩本絹子容疑者(78)が大学から1級建築士(68)に支払わせた不当な報酬の一部を、紙袋に入れた現金で受け取り、還流させたとみられることが14日、捜査関係者への取材で分かった。建築士から直接ではなく、側近の女性を通じて受け渡しをしていた。
捜査関係者によると、金の流れを確認しづらくするため銀行口座は使わず、間接的に還流させることで発覚を免れる狙いだった可能性がある。
側近は報酬支出の稟議に関わった大学経営統括部元幹部の女性。警視庁捜査2課は岩本容疑者と共謀したとして、側近や建築士を任意で捜査している。
大学の第三者委員会の報告書によると、建築士は2016年4月に非常勤嘱託職員として大学に雇用され、16~19年に給与計約2千万円を得た。18~22年には給与とは別にアドバイザー報酬として計約3億円も受け取っていた。