「どのようなことばで決断の理由を語るのか」。大リーグ、ドジャースは22日、佐々木朗希投手とマイナー契約を結んだと発表しました。日本時間の23日午前8時から入団会見が行われ、ドジャースへの入団を決断した理由などについて、佐々木投手がどのようなことばで説明するのか注目されます。
記者会見をライブ配信でお伝えする予定です。最新情報を速報でお伝えします。
23歳の佐々木投手は高校卒業後にプロ野球のロッテに入団し、3年目の2022年には史上最年少で完全試合を達成したほか、おととしはプロ野球の日本選手最速に並ぶ165キロをマークして注目されました。昨シーズン終了後にロッテがポスティングシステムを使った大リーグ挑戦を容認し、20球団による激しい争奪戦の末、22日、ドジャースが佐々木投手と契約を結んだと発表しました。佐々木投手は25歳未満のため、大リーグの労使協定によりマイナー契約となります。これを受けて、佐々木投手の入団会見が日本時間のこのあと午前8時からロサンゼルスのドジャースタジアムで行われます。
佐々木投手は「世界一の投手」になるための球団の育成システムに関心を寄せていたことが明らかになっていて、ドジャースへの入団を決断した理由などについて佐々木投手がどのようなことばで説明するのか注目されます。
佐々木朗希投手は岩手県陸前高田市出身の23歳。1メートル92センチの長身で左足を高々とあげる投球フォームから最速165キロのストレートと落差の大きいフォークボールを持ち味とする右投げのピッチャーで、「世界で最も才能のあるピッチャーの1人」と評価されています。大船渡高校の3年生だった2019年に163キロのストレートを投げて注目され、その年の夏の地方大会決勝で登板の機会がなく敗れて甲子園出場を逃した際には、それまでの疲労が考慮され佐々木投手の将来を見据えた中で登板が回避されたことをめぐって大きな論争が巻き起こりました。ドラフト会議では4球団から1位で指名されてロッテに入団し、プロ1年目の2020年には1軍での登板はありませんでしたが、当時、投手コーチだった吉井理人監督の指導のもと1軍の練習に参加しながら調整を行いました。そして、2年目に1軍登板を果たして3勝をマークすると、3年目に史上16人目の完全試合を達成しました。当時20歳での完全試合は史上最年少で、この試合ではプロ野球記録となる13者連続の三振を奪ったほか、プロ野球記録に並ぶ1試合19奪三振と記録ずくめとなりました。この年は9勝4敗、防御率2.02、奪三振数は173個と飛躍のシーズンでした。続く4年目はWBC=ワールド・ベースボール・クラシックに出場し日本代表の優勝に貢献したほか、大谷翔平選手が日本ハム時代にマークしたプロ野球の日本選手最速に並ぶ165キロをマークしました。5年目の昨シーズン開幕前に将来的な大リーグ挑戦を表明し、先発陣の中心としてシーズンを通しての活躍を誓いました。5月から6月にかけて右腕のコンディション不良などで2回にわたって登録を抹消されながらも勝ち星を重ね、昨シーズンは18試合に先発登板し、10勝5敗と、自身初のふた桁勝利をマークしました。プロ野球での通算成績は64試合で29勝15敗、防御率は2.10ですが、5年間で規定投球回には一度も届きませんでした。ただ、佐々木投手が登板する試合には、大リーグのスカウトのほか、編成部門の幹部が足を運ぶなど動向が注目されていて、ロッテは去年11月、ポスティングシステムを使った大リーグ挑戦を容認しました。
佐々木投手がポスティングを申請すると、大リーグの30球団のうち20球団が興味を示すなど激しい獲得競争となり、将来性豊かな23歳の移籍先はアメリカでも関心を集めていました。
ドジャースは、ロサンゼルスに本拠地を置くナショナルリーグ西部地区のチームで、1884年に創設され140年以上の歴史がある大リーグ屈指の人気球団です。1947年にはアフリカ系アメリカ人で初めての大リーガー、ジャッキー・ロビンソンがデビューするなど、大リーグの長い歴史の中でも大きな役割を果たしてきました。日本選手も野茂英雄さんや黒田博樹さんなどこれまで多くの選手が所属し、昨シーズンからは大谷翔平選手と山本由伸投手がプレーし、日本のファンにとってもなじみの深い球団です。現在のチームはいずれもシーズンMVP=最優秀選手の受賞経験のある、大谷選手とベッツ選手、フリーマン選手の「MVPトリオ」が打線の中心で、昨シーズンは4年ぶり8回目のワールドシリーズ制覇を果たしました。一方で、開幕投手を務めたグラスナウ投手や、サイ・ヤング賞を3回受賞しているカーショー投手など、先発投手陣にけが人が相次ぎました。ポストシーズンでは先発ローテーションが不足する苦しい戦いを余儀なくされたため、このオフはサイ・ヤング賞を2回受賞している左腕のスネル投手と契約するなど補強に力を入れてきました。
さらに今シーズンは大谷選手が2年ぶりのピッチャーとしての復帰を目指していることもあり、ドジャースの首脳陣は先発投手陣の負担を軽減するため大リーグで通例となっている5人ではなく6人の先発ローテーションとする方針を示しています。