ドジャースの入団記者会見で、背番号11のユニホームに袖を通し撮影に応じる佐々木朗希投手=22日、ロサンゼルス(共同)
「改めて自分はゼロからスタートするんだと、身が引き締まる思い」。米大リーグ、ドジャースのチームカラーに合わせ、水色のネクタイを締めて22日の入団会見に臨んだ佐々木朗希投手の言葉には、新天地に懸ける決意がにじんでいた。多くの球団が獲得に名乗りを上げる中、昨年のワールドシリーズを制覇した名門球団を選択した23歳の右腕は「今は自分が出した結論をがベストだと信じ、自分の可能性を信じてくれる人たちのために、前に進んでいきたい」と自らに言い聞かせた。
ドジャースは、プロ野球ロッテ入団前の大船渡高(岩手)時代から佐々木の存在に注目していたという。今オフは大型補強が目立つドジャースだが、新人王を多数輩出するなど育成面でも大リーグではトップクラス。会見では「どの球団もそれぞれ魅力があったが、総合的にドジャースが一番良かった」と入団を決意した理由を語った。
会見では、1月上旬からロサンゼルスや周辺で続いている山火事についても言及した。自身も2011年の東日本大震災で父を亡くしており「自分も被災して苦しい思いをしたが、前を向き続けることは忘れないようにしていた。ロサンゼルスも辛い状況だが、皆さんと一緒に前を向いて頑張っていけたら」と被災者に寄り添う姿勢を示した。
現行の大リーグの労使協定では、25歳未満のドラフト対象外の外国人選手はメジャー契約を結べないことから、マイナー契約でのスタートとなる。「厳しい競争を勝ち上がってメジャー契約を勝ち取れるように。まずはそこかなと思う」と佐々木。自らの立ち位置をしっかりと見つめながら、大リーガーとしての足元を固めていく。(浅野英介)