13日夜、宮崎県で震度5弱の揺れを観測した地震について、気象庁は去年8月に起きた日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震と一連の地震活動とみられるとしたうえで、今後、1週間ほどは最大震度5弱程度の揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。
気象庁によりますと、13日夜9時すぎ、日向灘を震源とする地震が起き、宮崎県で震度5弱の揺れを観測したほか、宮崎県と高知県で最大20センチの津波を観測しました。気象庁は14日、国土地理院と合同で開いた定例の会見で、この地震が南海トラフ地震の想定震源域の西端にあたる陸側と海側のプレートの境界で発生したと説明しました。そのうえで、去年8月に日向灘で起きたマグニチュード7.1の地震と一連の地震活動とみられると説明しました。今回は、去年8月の震源から西北西に20キロから30キロ程度離れていて、より深い場所で発生したということです。13日の地震以降、日向灘では震度1以上の揺れを観測した地震が14日午後2時までに9回となっていて、時間の経過とともに減少傾向にあるということです。
一方で、地震は引き続き発生していて、気象庁は今後1週間ほどは最大震度5弱程度の揺れを伴う地震に注意するとともに、南海トラフ沿いではいつ巨大地震が起きてもおかしくないことを念頭に、ふだんからの備えを進めるよう呼びかけています。
今回の地震では地震の規模を示すマグニチュードが何度も更新され数値が大きく変わりました。気象庁は異なる手法で計算したり詳しく解析したりしたためだとしたうえで、通常よりも差が大きかったとして原因を調べることにしています。13日、午後9時19分ごろ、日向灘を震源とする地震が起き、気象庁は地震の規模について当初マグニチュード6.4と推定されるとしたうえで、津波の心配はないと発表していました。この数値は、地震の波形の一部から算出したもので、7分後には、波形全体を計算した速報値が出たことから、気象庁はマグニチュードを6.9に引き上げ、宮崎県と高知県に津波注意報を発表しました。この時のマグニチュードの差は0.5ですが、規模は6倍近い開きがありました。この引き上げに伴い、南海トラフ地震との関連を調べる基準を上回ったことから、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を発表し、専門家による評価検討会を開きました。会合では改めて地震の波形全体を詳しく解析しました。その結果、マグニチュードは速報値の6.9よりも小さい6.7で、巨大地震への注意を呼びかける基準には達していないと評価されました。これを受けて気象庁は調査を終了しました。一方、気象庁は最初に地震の波形の一部から算出したマグニチュード6.4の値を改めて解析し、6.6に更新しました。
マグニチュードが何度も更新されたことについて、気象庁は異なる手法で計算したり詳しく解析したりしたためだとしたうえで「異なる手法で計算しても通常マグニチュードの差は0.2程度だが、今回、0.5と開きが大きくなったのは珍しい。今後原因を調べる」としています。