道路が陥没し、救助作業が続く現場付近=埼玉県八潮市で2025年1月30日午前10時26分、宮間俊樹撮影
埼玉県八潮市の県道交差点で道路が陥没しトラックが転落した事故は、二つの穴が一つにつながって大きな穴になるなど危険な状態が続いている。2次被害の恐れから救助活動は進まず、発生から2日たった30日も、破損した下水道管の復旧作業に着手できていない。周辺12市町の約120万人を対象に下水道の使用自粛要請が出されており、市民生活への影響は長期化が避けられない見通しだ。
「アリ地獄」のような状態
陥没は28日に発生し、29日未明に2カ所目の穴ができた。地元消防は当初、クレーンなどでの救助を試みたが作業は難航。ドローン(無人機)などで穴の内部を確認したものの運転手とみられる男性の安否は確認できなかった。29日からは東京消防庁などの応援も得て、穴周辺の崩れやすい土砂を重機で取り除く作業にあたった。
ところが30日午前2時半過ぎ、二つの穴の間にあった道路が崩落。穴が一つにつながり、巨大な楕円(だえん)形となった。地元消防によると、同日正午時点で穴の大きさは長径約40メートルに達したという。深さは約15メートルで、そのうち約8メートルに土砂などが堆積(たいせき)しているとみられる。穴の中では継続的に崩落が起き、県幹部は「言葉は悪いが『アリ地獄』のよう」と表現する。
消防は2次被害を避けながら救助活動を続ける方法を検討。穴の内部につながる幅4メートル、長さ30メートルのスロープを作り…