米メディアの取材に答えるナンシー・ケリガンさん=ボストンで2025年1月30日、AP
米首都ワシントン近郊で米軍ヘリと衝突した小型旅客機には、多数のフィギュアスケート関係者が乗っていたことが明らかになった。元世界チャンピオンのコーチ夫妻やジュニアの有望選手が含まれ、CNNは「数世代にわたる喪失。米フィギュアスケート界の未来も失われた」と報じた。
事故は現地時間の1月29日夜に発生。衝突の瞬間、旅客機とヘリは大きな炎に包まれ、ポトマック川に墜落した。消防当局は「生存者がいるとは考えていない」と説明している。
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複数の米メディアによると、旅客機の乗客60人のうち、少なくとも14人はフィギュアスケート関係者とみられるという。旅客機の出発地だったカンザス州ウィチタでは26日までフィギュアの全米選手権が開催され、その後、有望選手を集めた強化合宿が実施されていた。
旅客機墜落で亡くなったボストン・スケートクラブ所属の選手らを悼むホッケーの試合会場=米ボストンで30日、AP
米フィギュアスケート協会は旅客機に、合宿から帰る途中だった選手、コーチ、選手の家族らが多数乗っていたとの声明を発表した。
ボストンのスケートクラブは、クラブの関係者6人が亡くなったと発表。13歳と16歳の若手選手2人のほか、ロシア出身のコーチで、1994年の世界選手権ペアで優勝したエフゲニア・シシコワさんとワジム・ナウモフさん夫妻が含まれているという。
94年リレハンメル・オリンピックで銀メダルに輝いたナンシー・ケリガンさんは、米メディアの取材に「どう受け止めたらいいのか分からない」と沈痛な面持ちで語った。【国本愛】