貸金庫から金塊約20キロ盗んだか…三菱UFJ元行員の女逮捕「FXで10億円損失」

[2025/01/15 02:18]

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三菱UFJ銀行の貸金庫から十数億円の金品が盗まれたとされる事件で、警視庁は14日夜、練馬支店や玉川支店で、支店長代理を務めていた今村由香理容疑者(46)を逮捕しました。

今村容疑者は、貸金庫から顧客に無断で金塊20キロ、約2億6000万円相当を盗んだ窃盗の疑いが持たれています。

去年ごろから、「貸金庫に預けていた金品が消えた」という申し出が銀行に殺到していたそうです。そして、銀行が調査をはじめ、事態を認知したのが去年10月末。銀行のトップである半沢頭取が会見する事態に至りました。

その場で明らかになったのは、“抜け穴”の多い貸金庫の鍵の管理についてです。貸金庫の鍵は、客が持つ鍵と銀行が管理する鍵、2つがそろわなければ開錠できないというものでした。

三菱UFJ銀行カスタマーサービス推進部長 向井理人執行役員(先月) 「予備鍵は、お客さまと貸金庫の新規のご契約をする際に、お客さまに立ち会ってもらい、その場で専用の封筒に入れて、お客さまの印鑑と、管理者の印鑑、2つの印鑑を用いて封かんをすると。今回の事案は、予備鍵の保管をしているキャビネットを管理する責任者、この方が行為者(今村容疑者)であった。取り出して悪用したと」

2020年4月に貸金庫の統括責任者に昇進した今村容疑者は、その立場を利用し、約60人から十数億円の金品を盗んだと銀行の調査に申告したといいます。さらに、昇進した直後から窃盗を繰り返していたとも付け加えたそうです。

捜査関係者によりますと、今村容疑者は現金を盗んだ客が来店すると、ほかの客の金庫から一時的に補填するなど、発覚を遅らせるための偽装をしていたとみられています。

警視庁は、盗んだ現金などは、投資などに使っていたとみて、裏付け捜査を進めています。

また、三菱UFJ銀行は「お客さまをはじめとしたご関係者の皆さまに、ご迷惑とご心配をおかけしており、改めて、心よりお詫び申し上げます。弊行は、これまでと同様、警察の捜査に全面的に協力して参ります」とコメントしています。

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■「FXで10億円損失 返済に苦慮」

◆社会部・警視庁担当の加藤聖也記者から最新情報です。

(Q.認否や動機について、わかってきたことはありますか?)

加藤聖也記者 「まず、認否についてですが、『去年9月ごろに窃取したことに間違ないです」と容疑を認める供述をしているということです。今村容疑者の動機についても新たな情報が入ってきました。容疑者は、長年にわたり、FX取引や競馬をやっていて、多額の損失を出していました。消費者金融からも金を借りるなどしていて、返済に苦慮して、返済が行きつかなくなり、貸金庫の金に手をつけるようになったと話しているということです。FX取引では、少なくとも10億円ほどの損失を出しているとみられます。

警視庁が把握しているだけでも、容疑者は、盗んだ金塊を約7カ所の質屋で換金していて、約1億7000万円を得ていたとみられています。貸金庫から盗んだ金を利用者にばれないよう補填するため、この質屋で換金した金を使ったとみられています。また、いま、入ってきた情報によりますと、窃取した金の記録を携帯で管理していたようです」

(Q.警視庁は余罪についてどう見ていますか?)

加藤聖也記者 「取り調べや関連の捜査などから、被害規模は、現金にして約10億円以上、金塊は時価総額7億円以上、盗んでいるとみられています。被害者について、銀行は、約60人と発表していますが、警視庁は、被害額からみて、60人以上、いるのではないかとみて捜査する方針です」

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