東京・千代田区長選が2日投開票され、都民ファーストの会副代表の樋口高顕区長が再選し、無所属で公認会計士の佐藤沙織里(さとうさおり)氏は落選となった。
〝減税メガネ〟の愛称が付いた佐藤氏は「千代田区を減税特区にする」「江戸城再建」を公約に掲げ、区内をくまなく街宣活動する選挙戦を展開した。「減税なら『さとうさおり』の6文字を書くだけ!」とシンプルな訴えに選挙中は日本保守党共同代表の河村たかし衆院議員から「減税を打ち出しての選挙戦、素晴らしい。頑張ってください!」とX(旧ツイッター)でエールを送られる場面もあった。
一方、同じく区長選に立候補した政治団体「Q」公認で、つばさの党の黒川敦彦代表にロックオンされた。お家騒動となった政治家女子48党(現・みんなでつくる党)時代から因縁がある両者とあって、ネット討論会では佐藤氏が監査役を務める会社を黒川氏が追及。街宣も予告したことで、佐藤氏は「私の近くにいると妨害活動に巻き込まれる」と選挙中に監査役辞任に追い込まれたが、その後も黒川氏が街宣の後に姿を見せる〝コバンザメ戦法〟を仕掛けられ、街宣活動も制限を強いられた。
それでもユーチューブチャンネル登録者数29万人超で、昨年の都知事選での石丸伸二氏や衆院選での国民民主党のようなネット上でのバズりや街宣に多くの人が集まる現象が起き、樋口氏を打ち負かすジャイアントキリング(大番狂わせ)の可能性が出てきたことに陣営は一時、色めきだったが、結果は樋口氏が1万703票に対し、佐藤氏は6474票で、あと一歩及ばなかった。