今週の大寒波は北極方面から2方向へ流れ出し、特に日本付近への流れ込みが強烈で長時間に(杉江勇次) – エキスパート – Yahoo!ニュース

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

上空の寒気予想(ウェザーマップ)

きょう3日(月)は立春ですが、暦とは裏腹に強い寒波(寒気)が西日本から流れ込んできます。今回の寒波を北半球規模でみてみると、北極方面から対をなして2方向へ流れ込む様子が分かり、1つはカナダ東部方面へ、そしてもう1つが日本付近へ南下し、特に日本付近への流れ込みは強烈で、緯度的にも大きく南下する予想となっています。

この寒波とは別にシベリア付近と太平洋北部付近で高気圧が発達していて、上空の流れ(偏西風)が大きく蛇行しているため、こういうパターンは持続しやすい状況となり、特に日本付近への寒波の襲来は、強弱を付けつつ、1週間レベルで持続する予想となっています。

週末にピークか

上空の寒気予想(ウェザーマップ)

上図は上空約5500メートル付近の寒気の予想です。目安として、-30度以下で降れば雪となり、-36度以下で大雪に、-42度以下ともなると、大雪警報を大きく上回るような豪雪とも呼べるような降り方をすることがあります。

あす4日(火)夜にかけて、日本海側に-36度以下の寒気が押し寄せ、あさって5日(水)夜にかけて-42度以下の寒気が北陸や東北に到達して一度ピークを迎えます。その後、7日(金)頃からは西日本でやや北上するものの、8日(土)頃には北日本に大規模な-42度以下の寒気が再び襲来し、週末にかけて、一連の寒波はピークとなる予想です。

このような寒波の襲来は、ひと冬に1度あるかないかということになりますが、多くの場合、数日で抜けていくことが多く、今回の様に1週間レベルで強弱を付けながら持続することはそうあることではありません。そういう意味ではおおまかには数年に1度レベルの寒波の襲来と呼べるのかもしれません。

平地を含めてドカ雪警戒

72時間の予想降雪量(ウェザーマップ)

強い寒気が流れ込んでくる時は、多くの場合、日本海にJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)と呼ばれる活発な降水域が発生し、それが流れ込む所では、温度場が低いほど、平地でも極端な大雪に見舞われることがあります。今回もまさにこのパターンで、JPCZのかかる北陸を中心に、九州や四国の平地でも、雪の降り積もる所が多くなるでしょう

気象庁から発表されている予想降雪量は以下の通りです

きょう3日(月)6時からあす4日(火)6時までに多い所で、

北海道地方 50センチ

東北地方 30センチ

北陸地方 40センチ

東海地方 25センチ

近畿地方 20センチ

中国地方 20センチ

九州北部地方 20センチ

その後、あす4日(火)6時からあさって5日(水)6時までに多い所で、

北海道地方 50センチ

東北地方 70センチ

北陸地方 70センチ

東海地方 70センチ

近畿地方 50センチ

中国地方 50センチ

四国地方 20センチ

九州北部地方 30センチ

九州南部・奄美地方 15センチ

その後、あさって5日(水)6時から6日(木)6時までに多い所で、

北海道地方 50センチ

東北地方 70センチ

北陸地方 100センチ

東海地方 70センチ

近畿地方 50センチ

中国地方 50センチ

四国地方 40センチ

九州北部地方 30センチ

九州南部・奄美地方 15センチ

その後もさらに降雪量が増える見込みとなっています。

短時間の大雪や長丁場の大雪で、記録的な積雪となる所があるかもしれません。大規模な交通障害に警戒するとともに、吹雪や高波、着雪やなだれなどにも十分ご注意ください。

杉江勇次

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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