氷点下のソウルで大統領拘束、「尹錫悦を守る」叫んだ支援者「ああ」とため息…「終わった」歓声も

【ソウル=小池和樹】韓国の高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)や警察などの合同捜査本部が 尹錫悦(ユンソンニョル) 大統領の拘束令状を執行した15日午前、ソウルの大統領公邸周辺には大勢の市民や警察官、報道関係者が集まり、緊迫した雰囲気に包まれた。

史上初めて拘束令状執行された韓国大統領、公捜庁に到着…「うその公文書発行された」と批判

15日、ソウルで警察官ともみ合う尹大統領の支援者=ロイター

15日未明、ソウルは最低気温が氷点下となるなど冷え込んだが、韓国メディアなどが「15日早朝にも拘束令状を執行する」との見通しを事前に報じていたため、大統領公邸周辺では15日朝から、尹氏の拘束を求める市民らと尹氏の支持者らの双方が、それぞれ別々の場所で集会を開いていた。

午前10時40分に韓国メディアが一斉に、尹氏に対する拘束令状を執行したことを報じると、尹氏の拘束を求める市民らによる集会では、「よくやった」「これで終わった」と大きな歓声が上がった。抱き合う市民らの姿も見られた。

一方、尹氏の支持者らの集会では、朝から韓国と米国の国旗を振りながら、「 弾劾(だんがい) 無効」「尹錫悦を守る」などとシュプレヒコールが繰り返された。だが、尹氏拘束の一報を受け、「ああ」とため息に包まれた。

会場では捜査員に暴言を浴びせる市民らの姿も見られ、現場は騒然としていた。集会に参加したソウル市の会社員、チョン・ジフンさん(36)は「とても悲しいが、大統領とともに最後まで戦う」と語った。

午前10時33分に合同捜査本部が尹氏への拘束令状を執行してから数分後、大統領公邸から、尹氏を乗せたとみられる黒塗りの乗用車と警察車両4、5台の車列が立て続けに出発した。

その少し前には、公邸に通じる道路周辺を規制し、警備していた警察官から道を空けるよう集まった市民らに指示があった。

聯合ニュースによると、尹氏拘束に向けて、15日午前4時半頃、合同捜査本部の車両が大統領公邸前に着いた。警察は公邸に通じる道路周辺を大規模に統制しており、歩行者の通行を規制した。公邸方面に向かおうとする市民らと警察がもみ合う場面も見られた。

韓国メディアによると、警察は公邸周辺の安全管理のため、機動隊約3200人、バス約160台を動員して臨んだ。

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