2日(日)節分は関東で雪か、積雪を伴う可能性も?(杉江勇次) – エキスパート – Yahoo!ニュース

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)

今週末は本州付近を低気圧が通過し、太平洋側でもまとまった降水が予想されていますが、この降水の計算が新しくなるたびに、関東では2日(日)の節分に雪の降る可能性が高まっている状態です。内陸を中心に積雪を伴うような雪を予想している計算もあります。

南岸低気圧が通過へ

気圧配置や降水、上空1500メートル付近の気温などの予想(ウェザーマップ)

関東に雪をもたらす可能性があるのが、上図のように、九州付近から本州の南岸を進んでくるいわゆる南岸低気圧です。これまでは日本海側、あるいは本州の直上を進む可能性も見えていたのですが、最新の計算では、九州付近から南岸低気圧として、関東沿岸に東進してくる可能性が高まってきました。

こうなると、関東の下層に寒気が滞留し、降水現象がみぞれや雪になる可能性を検討しなければなりません。上図右は上空1500メートル付近の下層寒気の予想ですが、関東で南岸低気圧に伴う雨や雪のおおまかな目安は、0度以上で雨、0度から-3度で雨か雪、-3度以下で雪になることが多くなります。

2日(日)午前9時の下層寒気の予想では、関東が0度から-3度の間に入っていて、この条件ならば、関東北部や内陸ほど雪になりやすい温度場だといえます。ただこれはおおまかな目安であって、実際は、さらに最下層と呼ばれる上空500メートル以下の最下層寒気や地上の風向なども重要な要素となります。

午前中は雪主体、午後は雨主体?

雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)

上図は最新の雨やみぞれ、雪の計算結果です。南岸低気圧の東進前に、関東沖で小さな低気圧が発生する可能性もあり、降水の始まりは、2日(日)明け方頃の予想で、降り出しは下層寒気が強く、また地上の気温も下がりやすい時間帯のため、都心を含めて、雪となる所が多いでしょう。

その後、午前中は都心を含めて雪で降る所が多いものの、南岸低気圧が近づき、下層寒気が北上する午後は雨が主体で降る計算となっています。ただ雨なのか、みぞれなのか、雪なのか、非常に微妙な状況で、南岸低気圧の位置が南にずれ、下層寒気があまり北上しなかったり、内陸での滞留寒気が強まったりする場合などは、午後にかけても雪が主体で降る可能性があります。その場合は、内陸を中心に、雪の量が増えるかもしれません。

2日(日)節分は雪予報に

週間予報(ウェザーマップ)

ウェザーマップによる最新の予報では、上述した計算結果などをもとに、2日(日)節分は、さいたま以北で雪予報、東京や横浜でも雪か雨で、雪が主体で降る可能性が高い予報表現となっています。内陸を中心に積雪が生じてもおかしくない気象条件です。

とはいえ、関東の降雪予報は最難関で、わずかな気象条件の違いで、大きく場が変わる可能性がありますので、今後も最新の予報にご注意ください。

杉江勇次

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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