【サンタアナ(米カリフォルニア州)=後藤香代】米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(30)の預金口座から約1700万ドル(約26億円)をだまし取ったとして銀行詐欺罪などに問われた元通訳、水原一平被告(40)に対し、米カリフォルニア州の連邦地裁は6日午後(日本時間7日朝)、求刑通り禁錮4年9月を言い渡した。大谷選手への約1700万ドルの返還も命じた。
連邦地裁に入る水原一平被告(2月6日、米カリフォルニア州サンタアナで)=帯津智昭撮影
判事は「罪の重大性を量刑に反映させる必要がある。1700万ドルという金額は衝撃的なほど高額だ」と量刑の理由を説明した。
スーツ姿で法廷に立った水原被告は、判事から発言を促されると、「大谷選手には申し訳ないことをした。この過ちは私の残りの人生に影響を与えるものであり、その結果を受け入れる覚悟がある」と述べた。
検察側によると、水原被告は2021年11月~24年1月、賭博の借金を返すため、大谷選手の口座からブックメーカー(賭け業者)などに1659万10ドルを不正送金した。24年1~3月には約32万5000ドル分の野球カードを購入するなど犯行を重ね、大谷選手の被害総額は少なくとも1697万5010ドルに上った。
報道陣に囲まれながら、連邦地裁に入る水原一平被告(2月6日、米カリフォルニア州サンタアナで)=帯津智昭撮影
水原被告は犯行当時の深刻なギャンブル依存症や生活困窮を理由に禁錮1年6月への減軽を求めていたが、主張は認められなかった。