三菱UFJ銀行の元銀行員による巨額の窃盗事件。被害額が17億円に上るとみられていますが、なぜこんなに被害が膨らんだのか見ていきます。 どのように金品を盗んで、それを動かしていたのか明らかになってきました。 多額の借金を抱えていた今村由香理容疑者(46)は、銀行の貸金庫担当という立場を利用して、顧客の予備の鍵「スペアキー」などを使って犯行に及んでいたということです。 では具体的に見ていきましょう。 まず貸金庫1の中から現金を盗み出します。 盗み出した現金は、FX投資や競馬などでできた借金などの返済に充てていた、失った分を取り戻そうとしていたということです。 ただこういったことがうまくいかず、現金が減ってしまう、もしくはなくなってしまうわけです。そうなると貸金庫1の中身は空、もしくは少なくなってしまいます。 こういった際に今村容疑者がどうしていたかというと、今度は金庫2のお金を盗み出して、それを金庫1の補填に充てていたということで、いわば自転車操業のようなものが始まってしまったわけです。 そして今度は、金庫2にお金もしくは金品がなくなってしまうわけですが、今村容疑者は金塊を現金化させて金庫2に入っていたお金を補填しようと考えます。 そこで目を付けたのが金庫3にある金塊です。 この盗んだ金塊を今度は質店に持っていきます。 質店に持っていき、いったん預けて、今度は金塊を現金に換えます。 この現金を金庫2に入れ、元あった状態に戻すということです。 金庫3の持ち主が金塊を取りに来ることも十分あり得るわけですが、そういった想定していなかった顧客がやってきた時には、貸金庫の電源を切って、システムの故障を装っていたということです。 しかし、「来週の水曜日にもう1回来ます。その時に開けさせてください」と再度顧客が来ることもあり得ます。 こうした場合は、何とかして手元に現金を作って、その現金を持って質店に行き、現金を元手に金塊を手に入れ、金庫3にもう一度戻すといったことを行っていた可能性もあるということです。 長期間発覚しなかったことに驚きますが、犯行を実行するにあたって、銀行の貸金庫の中身や利用頻度などを調べて、盗む対象を選定していたとみられるということです。 青井実キャスター: 三菱UFJ銀行の半沢頭取らが貸金庫の予備鍵の管理体制に不備があったことをすでに認めていて謝罪しているわけですが、銀行側の管理体制・責任は問われるわけですよね? SPキャスター パトリック・ハーラン氏: 本人が一番悪いんですけど、「想像力不足で起きた事件」だとも解析できるかなと思います。つまり、体制を作った時には、悪い人がこの立場に就いた場合はどうなるのか想像できなかったのか。合鍵を作るんだったら、悪い人がそれを握った場合どうなるのかという想像までして、体制を作らなきゃいけないんですね。 性善説で動いて普段から成り立つ日本は素晴らしいですけど、変な話、銀行の体制を作るには性善説はいりません。性悪説が必要です。 青井実キャスター: もちろん容疑者が悪いんですが、銀行は安心してお金を預けるところ、これが基本だと思うので、そのお金がなくなってしまうような事態にならないように、銀行側には再発防止を徹底していただきたいと思います。
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