「ひき逃げ」訴え続けた両親「ようやく墓前に報告できる」…時効2か月前の起訴から逆転実刑判決

「ようやく樹生の墓前に報告できる」。この日の判決後、和田樹生君の父・和田善光さん(54)と母・真理さん(53)が東京都内で記者会見し、そう語った。

最高裁判決を受け、記者会見を行う被害者の父・和田善光さん(左)と母・真理さん(7日、東京都千代田区で)

両親は事故後、被告の行動が「ひき逃げ」にあたると訴え続けてきた。しかし、被告は、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死)のみで在宅起訴され、15年9月に執行猶予付きの有罪判決を受けた。

両親は納得がいかずに、被告の車が映った防犯カメラの映像について、専門家に分析を依頼して独自に調査。検察側に被告を「ひき逃げ」で起訴するよう申し入れ、時効まで残り2か月の22年1月に在宅起訴が実現した。

この日の実刑判決に、善光さんは「この10年間によって、救われる命が一つでも増えることにつながってほしい」と語った。樹生君の遺影を膝の上に置いて、法廷で判決を聞いた真理さんは「樹生の悔しさもいくらか晴れたと思う」と目を赤くした。

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