KADOKAWA前会長による国賠訴訟が始まった -プレスクラブ 無料放送

東京五輪汚職事件で逮捕・起訴されたKADOKAWA前会長の角川歴彦氏が、自身の勾留中に人権を侵害されたとして国を訴えた「角川人質司法違憲訴訟」の第1回口頭弁論が1月10日、東京地裁で行われ、公判後に角川氏と弁護団が記者会見に臨んだ。

角川氏は2022年9月、東京五輪をめぐる汚職疑惑で逮捕され、その後、226日間勾留された。一貫して容疑を否認してきた角川氏は、被疑者が自白をしなければ長期間拘束される日本の「人質司法」は違憲だとして2024年6月27日、国に2億2,000万円の賠償を求める国家賠償請求訴訟を提起していた。

会見に臨んだのは、原告の角川歴彦氏の他、主任代理人を務める村山浩昭弁護士、弁護団の伊藤真弁護士、弘中惇一郎弁護士、海渡雄一弁護士の5人。

角川氏は会見で、日本の司法は世界から遅れをとっているとし、人質司法の問題を国民が認識してほしいと訴えた。村山弁護士は今回のような人質司法を改めるよう求める公共訴訟は日本で初めのものになるとして、「国の反応や裁判所の判断に注目してほしい」と述べた。

伊藤弁護士は、「実態を知れば憲法違反、国際人権法違反というのは明らか。国としては何としてもその問題(憲法問題や人権問題)に立ち入らせないようにしている」と述べた。さらに海渡弁護士は、「国際人権規約9条にある恣意的拘禁の禁止に違反しているのではないかという弁護側の指摘に対し、国が一切触れないのは卑怯だ」と訴え、国が人質司法の問題を憲法違反、人権侵害の問題として捉えようとしないことを批判した。

角川氏や弁護団が長期勾留や自白の強要が憲法違反や国際人権規約違反にあたると指摘したのに対し、国は答弁書の中で「職務行為」を理由に「憲法違反や国際人権法違反の主張について判断する必要性も相当性もない」と主張し、原告側の主張には一切反論さえしない姿勢を見せた。

また弁護団は、公判中に原告側の主張に対して国の代理人を務める訟務検事がせせら笑うかのような態度をとったことは、国が事の重大さを理解していないことの証左であるとして、強い怒りを露わにした。

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