フジテレビは、昨年退職した女性社員A子さんに「人権侵害の疑い」がある行為を行なったとみられる中居正広氏を、問題把握から約1年半、看板番組で起用し続けた。その理由を同社は1月28日未明まで続いた長時間の記者会見で、A子さんを守るためだったと弁明。自社の社会部記者からも疑念の目が向けられた説明の真偽は第三者委員会の調査にゆだねられる。社長の首をすげ変えたフジは会見でアピールをした“出直し”を果たせるだろうか。 〈写真〉会見終了間際、空席が目立つ記者席。なかには話が通じない“自称記者”も…
フジテレビによると、中居氏とA子さんの間では2023年6月に中居氏のマンションで人権侵害が疑われる問題が起き、A子さんはその後心身の不調で通常の勤務が続けられない状態になった。 A子さんの様子がおかしいと感じた同僚が、問題が起きたことをA子さんから聞き出して周囲が把握。港浩一社長(1月27日付で退任)には約2ヶ月後に報告が上がっている。 1月27日夕方から始まった会見で港氏は、この問題を聞いた時「怒りという言葉でいい」という感情を中居氏に抱き、「(知った)当初から中居氏の番組の終了のタイミングをずっと考えていた」と強調した。 だが、当時フジテレビは松本人志氏と中居氏をMCに起用し放送していた「まつもtoなかい」を終了する判断はしていない。 その理由を港氏は「女性(A子さん)のコンディションをずっと意識していた。(番組を)やめることが刺激につながるのはよくない」と思ったからだと説明する。 結局「まつもtoなかい」は、松本人志氏がスキャンダルによる芸能活動を休止しても、「だれかtoなかい」と看板を掛け代えて継続され、24年12月まで続いた。 港氏は「(24年)夏にA子さんが退社するといい、体調がよくなったと聞いたので番組の終了を決めた。11月に中居氏に番組の打ち切りを伝えた」と話す。 ところがフジテレビは番組終了の動きが出る前に、中居氏を起用した特番をスポーツ担当部署が制作し放映している。 中居氏出演番組を終えることさえ刺激につながりかねないため避けた、との説明と矛盾するようにもみえる中居氏の露出機会の拡大。 港氏は、問題の情報が社内で拡散するのを抑えた結果、社内のコンプライアンス推進室にも報告せず、問題を知らないスポーツ番組担当らが中居氏を起用してしまった、と弁解した。 さらにコンプライアンス問題の責任者である遠藤龍之介副会長は、昨年末になって週刊誌の記者から初めて知らされたと主張。当然、持ち株会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)にも情報は上げられていなかったというのがフジ側の説明だ。
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