アメリカの首都ワシントンで起きた、アメリカン航空の小型旅客機と米軍のヘリコプターの衝突事故。 【画像】「不思議なことの方が多い」と話す元日本航空機長 連邦航空局は、旅客機が空港に向け着陸態勢に入っている中で、訓練飛行中の軍用ヘリと空中で衝突したと発表しました。 旅客機には60人の乗客と4人の乗員が搭乗し、ヘリには3人が乗っていました。 これまでに28人の遺体が収容されており、ワシントン消防局は「この事故による生存者はいない」と話しています。 現地の日本大使館によると、今のところ日本人の被害に関する情報は入っていません。 ロイター通信などによると、旅客機にはフィギュアスケートの全米選手権に参加していた選手や関係者が搭乗しており、その中には、1994年の世界選手権・ペアで、ロシア代表として優勝した、エフゲーニヤ・シシコワさんとパートナーのワジム・ナナモフさんも乗っていたということです。
地元メディアが入手したという、事故直前の管制官とヘリの操縦士とのやりとりを記録した音声。管制官がヘリコプターに対して「旅客機が見えているか」と尋ね、これに対してヘリコプターのパイロットが「航空機は見えています」と応えています。 その後、管制官が,「旅客機の後方を通過してください」と伝えますが、それに対しパイロットは応答することはありませんでした。 衝突時の映像を見ると、光を放って飛ぶ旅客機に、左側から軍用ヘリが真っすぐ近づいてきて、そのまま衝突しているように見えます。 元日本航空機長の塚原利夫氏は、これらの管制官の指示と衝突時の映像から、今回の事故は「不思議なことの方が多い」と話します。 元日本航空機長 塚原利夫氏: 飛行機はこの段階では、滑走路に向かって真っすぐに決められたところを正確に飛んでいるんです。そうなると、旅客機側のパイロット2人は、当然集中して滑走路を見ているわけです、これは避けようがないというか。 そこに管制塔からヘリコプターへ「飛行機がいるのでその後ろを飛んでくださいと」。 実はこの管制のやり方も、ちょっと日本では考えられない管制ですね。というのも、衝突した高度が地上から約120mくらいです。通常この非常に重要なポイントのところを他の飛行機が通過するということは、基本的には考えられないです。 ――軍用機とはいえ飛行禁止に指定されている区域だと? はい、空港の周りですね、そこは特別管制区になっておりますので。許可がないと入れない。滑走路に向かっている最終進入コースについては、さらに特別な管制を受けておりますから、通常は入れないんです。 ただ、(管制塔は)「旅客機の後ろを通れ」とおっしゃっているので、多分管制官が認めた中でのフライトだったと。ではなぜそこを避けることができなかったのかと。 ――管制塔の指示が聞こえなかった場合、目視での回避は不可能? 管制塔から「この飛行機のうしろを飛びなさい」という指示を受けているというのは、それまでには通信設定がすでに行われていたからそういう会話になったと思いますね。ということは、聞こえているし、通信設定はされているんですね。 ではなぜ、そのときに返事ができなかったのか。それは例えば目の前に旅客機が見えたので、慌てたとか、慌てて返事するいとまもなくということだったのか、あるいは何らかの緊急事態が機体側に発生して、それに対処しなければならなかったので返答することができなかったのか、とか。 ――ヘリのパイロットが意識を失った場合、真っすぐ飛ぶことはできる? (パイロットが意識を失う)多分それはないと思います。あったとしても、このヘリは操縦かんが2つついていますので、右席で操縦しても左席で操縦しても同じコントロールが可能です。従ってそれはないだろうと。 やはり最大の原因は、ヘリの中にも3人乗員がおりますし、低高度を飛んでいるし、この低高度を飛んでいるのもちょっと異常だと。そこが最大の疑問だと思うのですが、ヘリとしては避けることができただろうし。
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パイロットの一人に何かあっても、もう一人が操縦できた状況で、なぜ事故は起きてしまったのか。さらに、塚原氏は映像を見る限り、“ヘリが緊急回避的行動を取った様子は見受けられない”と続けます。 元日本航空機長 塚原利夫氏: 表現が悪いかも知れませんが、そこ(旅客機)を狙ってピンポイントで…狙ったという表現が良いのかは分かりませんが。 ヘリ側は旅客機が目の前に見えていて、どうして避けることができなかったのか。通報も受けているから気がつかなかったということもありませんし、見えているわけですから。 ――空港の管制に入る前にヘリコプター側で異常な行動は見られなかった? そこはまだ報道はないですが、多分なかったと思います。ないからこそ、ナショナルの領域というか区域に入り込んできたわけですから。 MC谷原章介: 航空計画書や地上との軍とのやりとり、あとはブラックボックスが原因究明のカギになるかもしれませんね。 (めざまし8 1月31日放送)
めざまし8
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